この記事の投稿日は「2017年4月4日」です。
おそらくこの記事は「時事ネタ」のような一過性なものであるため、あまり長く読まれ続けるような記事にはならないかな~、などと思いながらも、
基本的にSNS起業の本質自体は残っていくと私は考えていますので、あえて記事にしてみました。
ではSNS起業の本質は一体何で、何が表面上の実態としてあるのかを探っていきたいと思います。
賛否両論のSNS起業
実はSNS起業という表現に嫌悪感を示す人たちが増えてきています。
SNS起業と同時に生まれた流行語のようなものとして「起業女子」「女性起業」「キラキラ女子」というようなものもセットで誕生し、同じく嫌悪感を示す用語として使われることも増えました。
でもそこに賛否があり盛り上がることは良いことだと私は思っています^^ 良いも悪いもあるからこそ、そこに「議論」するだけの価値が生まれているのだと思います。
では、その「議論」の部分をさらに詳しく見ていきましょう。
SNSでの自撮りについて
特にFacebookを使った集客活動をしている人たちが使う手法の一つに「自撮り」というものがあります。
私もけっこう「自撮り」はしていて、インスタ(@hiroyuki_pic)の写真とかを見てもらえれば「おお~、確かにヒロさん自撮りだらけ!」って思われるかなーと思います。実際にそうですし。笑
この自撮り文化が生まれた背景には、
■サービス提供者は誰か?
という部分で、自分の顔を出した方が信頼されやすい。顔も見えない相手からは商品を買おうとは思えない、という発想がありました。
でも、それも一理ありますよね。得たいの知れない人から商品は買いにくいです…。
■単純接触効果(ザイアンス効果)
を活かすというものもあります。これは心理学的でありマーケティング的でありますが、長時間で1度だけ会うよりも、短時間で何回も会う方が人間的に信用してもらいやすい、という効果があります。
この単純接触を使うために、何度も自撮りをして、毎回自分の顔をFacebookユーザーに見てもらう、という戦略です。
そのため、自撮りだけでなく、イイね!やコメントもたくさん残し、できるだけ自分の顔に触れてもらうという作戦です。
■SNS的、大量行動
これは、またFacebookに限って言うと、友達5000人をまずは作りましょう、イイね!を押しまくりましょう、コメントは1日に30件は残すようにしましょう、という類のものです。
これは上記の単純接触効果(ザイアンス効果)と共に、Facebookのエッジランクに影響するアプローチでもあります。
エッジランクが高ければ高いほど、その人の投稿は拡散されやすい、というシステムです。
これは基本的に自分の目で確認することはできません。ただ、投稿の広がり具合などをイイね!の数などから推測し、拡散が弱いと感じれば、イイね!やコメントでポイントを高める、という発想です。
最新のSNS集客と仕様変更について │ 個人起業家のWEB集客論2017
SNS起業の「自撮り」の問題点
ここが争点になるかなと思うのですが、要は、
①サービス提供者は誰か?
②単純接触効果(ザイアンス効果)
③SNS的、大量行動
の、この3つがそもそも間違っているのではないか、という部分です。
そもそも見込みのお客様に、人柄や人間性で信用され、より商品買いやすく、そして認知を広げるための「拡散戦略」が背景としてあるわけですが、
■自撮り →見苦しい
■単純接触 →どんどん嫌いになる
■大量行動 →もう止めてくれ
のまったく狙いの真逆に働いてしまっているケースが多く見受けられる、という点に議論が当てられていると私は解釈しています。
つまりは、どのようにすれば人間的に信用、信頼されるSNSの使い方が出来るのかを考え、その上で単純接触回数を増やし、必要な適切量を行動していけば問題はないわけです。
例えばの解決策
まず、自撮りはほどほどに行う程度には良いと思うので、あとは自分の顔が写ることで不快感を与えないような距離で撮影することや、無意味な本当にただの自撮りを止める、というのが一つです。センスがものを言いますが。
あとはグループで写っている写真を載せれば自撮りにならずに、自分のことを写真を通して見てもらえますし、プロのフォトグラファーに撮影してもらった写真であれば、むしろ「作品」として映ります。
ちゃんとスマホホルダーみたいな三脚を用意し、ライブ動画配信など使えば、もっと自然な形で自分の顔を出すこともできると思います。
そして何より、必ず「顔」が写ってなければいけないのかというと、そういうわけでもありません。
少なくとも自分のプロフィール写真にしっかりと自分の写真を使っていれば何者かは分かりますし、モノ撮りの写真を投稿する形でも、そこに載せた文章の力も含めて、十分に人柄や人間性は伝えることはできるのです。
なぜSNS起業なのか?
私は、SNS起業をどちらかというと推奨する側の人間です。
というのも、本質を考えれば、そもそもSNS起業を否定する理由自体もそんなには見つからないわけです。
解説しますね。
成果が出るまでが早い
多くの人が勘違いしていますが、SNS起業が簡単なのではなくて、SNS起業は成果が出るまでのスピードが早い、のです。
特にホームページやWordPressでのブログで集客を考えると、最低でも3ヶ月は何も反応がないと思ってもらうぐらいでちょうど良いと思っています。
とにかく認知してもらうまでのスピードが遅く、あくまで待ちの姿勢の媒体だからです。
いわば、店舗を構えたけれど、チラシなどは蒔かずに、ひたすら通りがかりの人が看板に気付いて来店してもらうのを待つ感じです。
ただ、店舗の看板集客より最悪なのは、WordPressブログやホームページは基本的に、人通りの少ない場所に店舗を構えるのとほぼ同じということです。
(ただし、一度成果が出始めると、そのあとはSNS集客に比べ格段に有利になります)
特定のお客が集まっている
SNSというのは、それぞれ使っているユーザーの属性に特徴があります。その特徴を活かしてSNS起業というものが流行りました。
その代表格がアメブロです。商用利用禁止にもかかわらず、そのビジネス向きすぎる仕様のため、多くの方がビジネスユースしてきました。
その背景から「個人事業主はアメブロを書いている」という前提条件が生まれました。
ということはつまり、講師・コンサル・コーチにとっては有利な市場が出来がったというわけです。
見込みのお客様だらけですし、なんといってもアメブロはSNSの要素が強いので、こちら側から読者申請やイイね!コメント、ペタによってアクセスを集められます。
最近の事例で面白かったのは、治療院やサロン向けにコンサルを始めた人がFacebookとアメブロを使い始め、2ヵ月目には500万円以上の売上を作ったという方もいました。
もう「Facebook×アメブロ」の流れが終わりかけている2017年の段階で、この成果です。つまり、すべては使いようということです。
ですので、自分のお客さんとなる人がFacebookやアメブロにいないのであれば、そもそも使う理由がありませんし、SNS起業する必要なんて無いのです。
SNSはあくまで手段でありツールなのです。
コミュニケーションの時代
ランチェスター戦略、というのを聞いたことはありますか?
要は、大手企業や有名起業家にはカバーできない隙間(ニッチ)を狙っていきましょう、というのがおおまかな内容です。
そう考えた時、個人起業家にとって密なコミュニケーションというのは、大手企業ができなくて個人起業家にはできる、ひとつの有利な戦略になります。
特に私がお伝えしている「オリジナル商品をWEBで売る!」という考え方は、スクールビジネス、講師・コンサル・コーチにはぴったり起業法です。
高額商品を扱うことが多いので、年間のクライアントが数人いればビジネスは回ります。
スクールビジネスのやり方についてはコチラの記事に詳しく書いています↓
年間数人のクライアントで良ければ、多くの新規を集めるための集客に走るよりも、濃いファンの方たちとのコミュニケーションを増やす方がよっぽど効果的です。
そう考えると、SNS起業の本質の考えとしては、コミュニケーション戦略だと言うこともできます。
イイね!やコメント、メッセージのやりとりの他、オンラインサロンを使ったライブ動画配信でのやりとり等も可能です。
個人起業家にとってコミュニケーション戦略が有利である以上、SNSを使った方法は非常に有効なのです。
SNS起業=お茶会
見込みのお客様との接触回数を増やすというザイアンス効果のお話もしましたが、できればネット上よりもリアルで直接会う方が効果は高いものです。
また、人間の心理法則として、一度お金を払った相手にはお金を今後払いやすくなるというものもあるため、低額でも良いのでキャッシュポイントを作り、売り手と買い手の図式を作ることは効果的です。
そこで登場したのが「お茶会」という考え方です。
なぜお茶会が有料なの?
これは一般人からすると謎の料金だと思います。一緒にお茶するだけでお金が発生するのですから。笑
価値観の部分もあると思いますが、主催の方と話をすることに価値があるのであれば、そこで対価が発生するのは当然と思います。
逆に、そこに価値を感じながらも「お金を払うのは変」と思うのであれば、もしかすると、価値を感じ取るセンサーが弱っている可能性もあります。
面白いのが、会社でも部長クラス以下だと見えないものに価値を見いだす割合が少ないけれど、取締役以上になると、目に見えないものに価値を見いだしビジネス化するのに長けている、というお話。
まあ、このお話は嘘か本当か分かりませんが、そういうニュアンスであることは間違いないと思います。
とはいえ、本当にただお茶だけをしてお金をいただくのが一般常識からズレすぎているかもと感じている人が、簡易的なグループコンサルやミニセミナー形式にして、価値の見える化を行っている、というのはあると思います。
キラキラ女子のオフ会?
SNS起業やキラキラ女子の論点になるポイントとして、このお茶会もけっこうキーワードになるかなと思っています。
実はけっこう、ホテルラウンジでセミナーやお茶会をするというのがこの業界では定番になっているんですが、一般客からするとけっこう「迷惑」になっているケースも多いようです。
例えば大人数でわいわいとラウンジでセミナーしていたり、時には集合写真や自撮りで迷惑をかける場合があるのだと思います。そうなれば当然、、迷惑ですよね。笑
そのあたりの一般モラルとの兼ね合いと、それともう一つが、単純接触回数を増やし、キャッシュポイントを近づける(買いやすい商品を用意する)という、ビジネス的な視点とはまったく異なる使い方をしている人がいるのも争点です。
というのも、誰かのセミナーで仲良くなった人との同窓会的な「お茶会」であったり、ネット上で繋がった人と本当にお茶をするだけの「お茶会」があり、
それってもしかして、mixiとか流行った時期にあった「オフ会」ってやつですよね? それってビジネス目的と何の関係もないですよね? という人たちが、
あたかも自分たちは起業してますという雰囲気で自撮りをするものだから、しかもそれがSNS的大量行動で何度もフィードに上がってくるものだから、人によっては「イラッ!」とするんだと思います。
SNS起業=キラキラ女子のオフ会、と言われてしまうのも、、納得ではあります^^;
強者有利なSNS起業
このテーマで最後は締めたいと思いますが、SNS起業の文化は、強者に有利に働く特徴があります。
そこの部分に気付けていない人を狙った「情報弱者の搾取サービスだ!」と叫ぶ人が出てくるのはそのためです。詳しく見ていきましょう。
セミナーレポの裏側
大物起業家のセミナーに参加し、その内容をレポートにしてアメブロやSNSでアップする、という考え方があります。
参加者のメリットとしては、自分のSNS投稿の材料になることと、大物起業家と一緒にいることでキラキラできる、場合によってはそれをキッカケに見込み客と知り合いになれる、学びのアウトプットができて理解が深まる、などです。
一方でセミナー主催の講師のメリットは、自分の影響力を集合写真などを通して示すことができる、一人ひとりと写真を撮ってタグ付けをしてもらうことで拡散性が高まる、SNSやブログで自分の認知は広まるばかり、というのがあります。
そして意外に見落としているのが、一貫性の法則を働かせているという点です。
例えば人はアンケート用紙などに「また興味のあるセミナーがあれば参加したいですか?」の部分に「はい」と書くと、それを選択した自分の決定を守りたい、嘘をつきたくないという一貫性の法則が働き、また何かしらを買ってしまう、ということが心理学的に分かっています。
『影響力の武器』という本にはそのあたりのことが詳細に書かれており、有名起業家の多くはそれを、意識してか無意識か分かりませんが、かなり多用しています。
ということは、セミナーレポで「良かったよ、最高だったよ」と書いた以上、その人はセミナー主催者のことを肯定するという立場を取りたくなってしまう心理が働く、ということです。
これは信者ビジネスの原型でもあります。
SNS起業批判もプロモーション
「7桁を稼ぐ」とか「キラキラ女子」という表現に憧れてSNS起業を考える人も増える一方で、SNS起業なんか違和感だらけだろ!という反対者もいますよね。
そういう私もこうしてブログ記事にしているわけです。これはある意味で炎上マーケティングと同じ手法で、議論がされて、賛否両論が強ければ強いほど、そのマーケットは広がっていきます。
そして、必ずしもSNS起業が悪いわけではないんだな、というようなことを、例えば私のこの記事みたいなものを読み「共感」した人は、改めてSNS起業の世界に足を踏み入れるという。。
すべては、強者の戦略の上で転がされている、という事実はあると思っています。
本物経営者によって一掃
そして最後に…。
やはりSNS起業で一攫千金というのは、ほとんどアメリカンドリームのようなもので、才能がある人やセンスのある人、過去に実績や経験を積んできたビジネス強者には敵うものではありません。
本当のビジネス、本当のマーケティングを知っている人からすれば、数か月でSNS起業の中で輝くことができると思います。
ただ、それをすることの意味がないことも分かっているので、そんなことをせずちゃんとビジネスをするんだと思います、そういう人たちは。
とはいえ、SNSというツールは、職種によっては最短で結果を作り出せる世界を提供してくれる、本当に貴重な手段だと思います。
本物の実力を持つ経営者が同業に現れたとしても、あなたにしかできないことがある。
それを知った上で、自分にできること、自分を待ってくれている人にサービス提供をしていくことが大事だと思っています。
まとめ
簡潔にいうと、TPOを無視した振る舞いや、セミナー講師やコンサルタントに踊らされてしまっている人たちが一定数、いや大多数いたがためにこういうSNS起業という言葉が流行したのだと思います。論争を生むほどに。
でも、論争を生むほどにマーケットが広がったのは、それはそれで可能性やチャンスが広がったということでもあると思います。
SNS起業は、ちゃんとそのSNSの中にお客様がいるかどうかを見極めた上で実践する必要がありますが、自分のやりたいこととSNS起業のビジネスに整合性が取れるのであれば、
やはりSNS起業の存在を知らないよりは知っていた方がいい。
私だってこんな世界があることは知らなかったですし、SNS起業があったからこそ成功している女性起業家もたくさんいらっしゃいます。
すでに成功されている大物の起業家の方たちも、適切にSNSを使ってプロモーションしています。
SNSはコミュニケーションを深め、人柄や信頼から商品を買う方法であり、一度出会ったお客様との関係を維持し、深め続けるためのツールです。
使い方を間違えず、正しくビジネスに応用していくことは、SNS起業の本質を上手に活かせるのではないかと思っています。
Facebook を使った具体的な集客テクニックはこちら↓
SNS集客については、こちらの記事もチェックしてみてくださいね!
最新のSNS集客と仕様変更について │ 個人起業家のWEB集客論2017