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コラム

新しい未来に活躍する “新こども教育論”「せかいく(世界×教育)」の考え方

これからの時代は英語ぐらい流暢に話せないと…。

これからはグローバル社会、国際社会でしっかり立っていける子どもに育てないと…。

そういった願いとは裏腹に、「教育迷子・子育て迷子」状態になっていく家庭の現場を見てきたという関口真美(せきぐち・まさみ)さん。

「インターナショナルスクール」で子ども教育の現場に携わってきた経験から、ひとりでも多くの「教育迷子」の人を救い出そうと決断、独立を果たしました。

実際、「インターナショナルスクール」だけでなく、教育や子育ての現場ではさまざまな「誤解」「思い込み」「混乱」が蔓延していることを懸念しているそう。

新しい未来に活躍する “新こども教育論” を展開する、関口さんの「せかいく(世界×教育)」の考え方とは一体、どういうものなのでしょうか。

お話を伺ってきました。

インターナショナルスクールという都市伝説

「これからの時代はプログラミングを学ばせた方がいいらしい」

「あの芸能人は〇〇に通わせたから今あんなに活躍しているらしい…」

教育、特に幼児教育においては「正解」というものがないからこそ、子育て中の多くの教育熱心な親たちはメディアや情報に振り回されてしまうといいます。

その中の一つに、

「幼少期からの英語教育」

「インターナショナルスクールに通わせて英語環境」

というものが定番に。

しかし、その現場で働いていたからこそ知ることができた「業界課題」も浮き彫りになったといいます。

本当に英語が話せるようになるのか?

関口さんの運営する『せかいく』というサイトの中ではこのような見解が記されています。

実は、幼少期にインターナショナルスクールに通っているからといって、必ずしも流暢な英語を話せるようにはならないのです。

もちろん、英語の聞き取りや簡単な会話はできるようになるので、英語をまったくやったことがないという子よりは土台がついているのは事実です。

しかし、それは本当に”ごくわずか”。

これは、人には向き不向きがあるように、外国後習得に関しても、合う言語・合わない言語が個人個人で違うためです。

引用:本当に子どものためになるか?インターナショナルスクールの3つの真実とは。

グローバルマインドは養われるのか?

幼少期からの英語教育や、インターナショナルスクールへ通うことで期待される効果としてもう1つ、「グローバルマインド」というものがあると思います。

グローバル化、国際社会化が叫ばれ始めた頃に現れた注目ワードです。

こちらに対しても関口さんの見解はこのようなものでした。

確かに、様々な国籍の先生がいるので、「世界にはいろんな人がいるのだ!」ということに気づく、それを幼少期から受け入れることが出来るのは、インターナショナルスクールのメリットの1つ。

しかし、”英語さえ教えていれば良い”と考えているスクールがあるのも事実。

その結果、ワークシートを詰め込むだけだったり、子どもの生活リズムを無視したり…ということもあるのです!

これではグローバルマインド以前の問題です。

引用:本当に子どものためになるか?インターナショナルスクールの3つの真実とは。vol.2

「せかいく」が目指す教育のあり方とは?

そんな教育の現場、前線を見てきた関口さんは、独自の教育方針を打ち立てながら「オリジナル教育プラン」の提案を行っているといいます。

つまり、Aさん親子にはこういう教育プラン、Bさん親子にはこういう教育プラン、というようにカスタマイズされた、オーダーメードの教育をコンサルティングを通して提案しているといいます。

そこから生まれたお客様の声の中には、

今後の教育についてや子どもに適した教育内容、これからどう子どもと関わっていけばいいかを教えてくれたのがありがたかったです。(30代、女性)

客観的に分析し、子どもの視点を含めた状況を伝えていただけたので、気付きがあった。実践的な取り組みを示してもらえたことも良かった。(50代、男性)

気兼ねなく相談できる場がなかったので、安心できる場が出来た。(30代、女性)

というように、教育方針について相談できることでブレなく子育て・子ども教育に専念できるようになった「喜びの声」が並んでいます。

ではどのようにしてこの「混沌とした教育情報」の中から、AさんBさん、それぞれに合った教育方針を導き出し、共に伴走しているのでしょうか。

詳しく伺ってきました。

比較することがなくなる「引き算」教育

ーー足し算ではなく「引き算」の教育法というのは面白いなと思いました。具体的にはどのようなものなのですか?

関口:例えば習い事で考えてみると分かりやすいのですが、習い事を足していくことは実をいうと簡単なんです。アレが良さそうだからやる。コレも良さそうだからやる、というように。

ーー実は私も「英会話教室」で働いていたことがあるので分かるのですが、教育熱心なご家庭のお子さんは週に5ヶ所、6ヶ所と習い事に通っていました。

関口:お子さん本人が希望するのであれば決して悪いものではありませんが、これが大人の都合、教育方針だという場合は注意が必要です。

ーー具体的にはどういうところに危惧があるのでしょう?

関口:もっとも注意したいのは「負担」です。習い事を足し算していくということは、経済的にも時間的にも負担がかかります。何より、すぐに成果が出ないことへの焦り、ストレス、余裕のなさが生まれてしまうことには注意が必要です。そのプレッシャーもまたお子さんにとっては「負担」になります。

ーーなぜ「足し算」という現象が起きてしまうのでしょうか?

関口:もっとも根本の部分にある課題としては「比較」というのがあると私は考えています。

ーー比較、ですか?

関口:周りの人と比べてしまう、自分の過去と比べてしまう、という現象があります。よくマウンティングなんていう表現もありますが、あそこの家庭にはお受験で負けたくないとか、そういったケースが「周りとの比較」のケースとしては分かりやすいかもしれません。

ーー自分の過去との比較、とはどういうものでしょうか?

関口:よくあるのが、「私が小さな頃はできたのに、なぜあなたはできないの」というような場合です。こういった「比較」が意識の中にある限り、足し算の教育というのはなかなか解消されません。また少し違うのですが「親子一体化」というのもあり、その場合には「私が英語で苦労したから、この子には英語で苦労して欲しくない」というような想いをもつケースもあります。

ーーそこに対し関口さんはどのようなアプローチでコンサルティングをしているのでしょうか?

関口:「オリジナル教育プラン」を作るときにはまず、ヒアリングというものを通して現状を確認します。そこから3つのステップで関わっていくようにしています。それがこちらです。

  • 「気づく」…私(親)と子は違うということに本質的に気づく
  • 「認める」…私(親)と子は違うということを認める
  • 「自信を持つ」…比べることがなくなると、自分の選択に自信が持てる

関口:先ほどの「親子一体化」のケースで考えてみると、”違いに気づき認めること” によって、いらないプレッシャーが消えてなくなるのが分かると思います。また「比較」の場合も同様です。考えてみれば分かるのですが、「周囲の声」というのは子育ての責任を取ってくれるものではないですよね。それなのに振り回されてしまい、親子でストレスを抱えてしまうのはもったいないことだと思うのです。

ーーよく見ると、これって「子どもの教育プラン」のようで、実は「親の子育てプラン」なんですね。

関口:そうなんです。特に幼児教育には「正解」というものがありませんから、自分で選択して、その選択に責任を持つという勇気が必要なんです。でも日本人というのは気質的に自己肯定感(≒自信)が低い傾向があるので、自分で選ぶことが苦手なんです。それが結果的に、メディアで発信されているさまざまな情報に振り回されてしまうという結果を生んでしまっています。

ーー親が自信を持つことが、真の教育につながるというわけなんですね。

関口:そのためにもまずは、自分のお子さんが社会人になった時のことをイメージして、そこから逆算していくことをお勧めしています。そこから順に大学ではここまで、高校ではここまで、中学ではここまで育てる、というようにまずは考えていきます。そうすると最終的に「幼少期」にはそんなにたくさんの習い事をさせる必要がないっていうことに気がつくんです。

ーー面白いですね。実際はどのあたりに着地するんですか?

関口:人間としての基本スキルに落ち着くことが多いですね。目標に向かって頑張る力であったり、人とかかわる力、感情をコントロールする力、という具合です。これらは業界的にはすごく話題のもので「非認知能力」といいます。

参考:なぜ、子どもの頃に遊ぶことは大切なのか?

ーーところで関口さんは、「せかいく」というテーマで事業をなさっていますが、なぜ「世界」と「教育」を掛け合わたのですか?

関口:実をいうとここでいう「世界」には2つの意味があります。1つはそのまま「世界」です。日本人からすると海外のイメージもあるかもしれませんが、現在は外国人と一緒に働く、となりに住んでいるのが外国人というように、日本にいながらいつの間にか国際社会の一部になっている現状があります。海外で活躍できることはもちろん、そういう中でも活躍できる人間教育を目指すという意味です。

ーーもう1つの「世界」の意味は何でしょう?

関口:もう1つは、親と子どもの「世界」を指しています。自分(親)と子どもは違うというのを踏まえた教育を提案していきたいなと考え「せかいく」としました。

ーー今後のビジョン、展開などを最後にお聞きしてもよろしいでしょうか?

関口:今後はセミナーや講演会なども開催していきたいなと考えています。啓蒙活動というのでしょうか。すでに子ども教育の専門家による講演会などは存在しますが、「インターナショナルスクール」の現場を見てきたという切り口から、国際社会、グローバルという「異なる価値観の違いを受け入れること」を、経験・体感として増やせる取り組みにしていきたいと思っています。

ーー今日はありがとうございました。

関口:ありがとうございました。


「関口真美(まさみ)」「せかいく」に関する情報、YouTube動画は下記からご覧いただけます。

「せかいく」公式ホームページ

https://sekaiku.com/

「せかいく」公式フェイスブックページ

https://www.facebook.com/sekaikuworld/

取材・文/ヒロさん

ABOUT ME
ヒロさん
「美意識のある経営と、文化を生み出す起業術」をテーマに活動中。法人向けnoteオウンドメディア研究家。