“目標設定” というキーワードでGoogle検索をしたことはありますか?
ちょっと調べるだけでも、本当にたくさんの目標設定の仕方が世の中にたくさんあるということが分かります。
一例を出すとこんな感じ。
- ベーシック法
- 三点セット法
- ベンチマーク法
- ランクアップ法
- 期中設定法
- SMART
- KGI×KPI×KDI法
- NLP式目標設定法
これらは当たり前ですが、目標を達成するために設けられた理論です。
ですが、すでにあなたも経験しているように、ほとんどの人は「目標を達成させること」に適した特性や資質を持っていません。
目標達成というのは、一種の技術・スキルであると同時に、個人の才能に由来するものでもあります。
目標計画を立て、実行し、そして実現させる。ほとんどの人は、これができません。
そこで本日の記事では、目標を達成させるための『目標設定法』ではなく、あなたの成長スピードを加速させるための手段(能力開発)としてお伝えしていきたいと思います。
この方法を実行することで、本当に得たい未来を手にするための『自分』を手に入れることができることでしょう。
目標達成率はたったの12%
ちょっと古いデータですが、2013年に掲載された日経ビジネスONLINE に、次のような記事が掲載されていました。
2007年にイギリスで行われた研究では、元旦に目標をたてた3000人を追跡調査した。52%の人達が目標を達成できると自信を持っていたにも関わらず、目標を達成することができたのはわずか12%の人達だった。
このデータに限らず、私たち個人の実感としても目標達成をすることはそうたやすいものではないと感じることも多々あるのではないでしょうか。
この原因・理由となるものをいくつか列挙したいと思います。
① 切り捨てる勇気が足りない
例えば、英検1級の資格を取って翻訳スクールに通い、翻訳家になるという目標があったとしましょう。
しかしある日、英語を使った仕事よりも北海道で農業をすることに目覚めたとします。その時、あなたの目の前には2つの選択肢が現れます。
- 英語をあきらめて農業をする
- 農業をあきらめて英語を学ぶ
決めた目標を達成するということは、その他の選択肢をいかなる状況であろうと切り捨てる必要がある、ということです。
あなたは、新たに芽生えた「北海道で農業をする」という夢をあきらめ、当初予定していた翻訳家の道をそのまま突き進むことはできますか?
そんなの人生レベルで見たときに、本質的じゃないって思いますか?
それとも、目標達成の本質を見いだすために、後から出てきた “やりたいこと” は切り捨てますか?
② 努力がムダに思えてくる
例えば、資格を活かしてスモールビジネスで起業を考えたとしましょう。
まずはお客さんを集めるために、毎日ブログとSNSの更新、YouTubeの動画配信を続けたとします。
すぐに結果が出れば良いですが、それが半年、1年、1年半と時間が経ってもお客さんをたったの一人すら集められなかったとしたら…。
それでもあなたは、その目標をあきらめずにいることはできますか?
③ 特性・資質に合っていない
人にはそれぞれ、特性や資質というものがあります。
代表的なものとして、
- 能動の資質
- 受動の資質
があります。
目標を達成するために自分から能動的に行動し、得たい未来を自分の手で築き上げていくタイプです。
一方で受動タイプの場合は、好きなことややりたいことをしている過程でチャンスが舞い込み、相手の希望や期待値を超えた働きをすることでさらなる好循環を生むことに適しています。
これだけを見ても、目標達成がそもそもできる人というのは、能動・受動のうち、能動タイプの人間だということが分かります。
目標達成ではなく目的達成
最初に誤解のないようお伝えしますが、私は、目標達成ができる人間では “ありません”。
だいたい2カ月も前に設定した目標ですら叶えることができず、毎回思いがけない方向へと突っ走っていることがほとんどです。笑
それでもどういうわけか、最終的に得たい結果だけは得ているということがよくあります。
つまり、途中プロセスにある目標は叶えられなくても、最終的な目標は達成している。もしくは、目標は達成されなくとも、目的は達成されている、ということがあるのです。
前者の例をあげると、セミナーの集客はまったくできなかったけれど、最終的な売上目標には到達していた、というのがあります。
具体的には、東京で対面セミナーを何度か募集するもまったく人が集まらず、目標未達。
しかしそれを、ZOOMなどを使ったマンツーマンのオンライン体験コンサルに切り替えたところ人が集まり、目標の売上は達成された、という生の事例があります。
後者の、“目標は叶わなかったが目的は達成された”という状態は、歌手の方に例えると分かりやすいですね。
セレブな人気歌手になるという目標があったものの、結局はテレビ番組でいじられキャラが定着して当初の目指した姿からはかけ離れた存在に。しかし、“歌で人を笑顔にする” という目的は果たされた、というのがあります。
成長を加速させる目標設定
それではいよいよ本題、
『成長スピードを加速させる6ステップの目標設定』についてお伝えしていきたいと思います。
方法はかんたんで、
- 積み上げ式に目標設定する
- 逆算して目標設定する
の順番で目標を決めれば良い、という方法になります。
細かくみていきましょう。
① 積み上げ式に目標を決める
まずは1月~12月までの、毎月の目標を決めていきましょう。
前年度の手帳やスケジュール帳があれば自分の行動パターンの参考になりますので手元に用意しておきましょう。
新年明けて早々に動ける人と、なかなかエンジンがかからない人など、それぞれにパターンがあると思いますので、それを踏まえて考えていくとムリのない予定が立てられます。
ここでのコツは、KPIとKGIという2つの指標を用いることです。
- KPI=プロセス目標
- KGI=ゴール目標
という認識でとりあえずは大丈夫です。
KGI(ゴール目標)には、その月に得たい結果を記入、KPI(プロセス目標)には、自分でコントロールできるタスクも合わせて書き入れていきます。
例えば、KGIに「売上目標 100万円」とするのであれば、KPIには「セミナー集客10名、メルマガリストを前月比+100にする、そのために毎日1記事ずつのSNS投稿とブログ投稿を行う」という具合です。
注意点は、KGIの指標となるゴール目標は1つに絞るということです。
「アレもコレもやりたい…、だけどお金と時間の関係でできない…、でもやりたい!」と思う場合には、書き入れた側にメモとして記入しておきましょう。
1月はなんだかんだで確定申告の書類準備とか、そういう事務的作業も増えますので、そういったことも忘れずに記入しておきましょう。
② コンフォートゾーンの確認
1月から順番に、前年度の自分の動き方を反映させながら目標設定をすると、かなりの確率で自分の『コンフォートゾーン』が確認できます。
日本語にすると、ラクな領域、努力不要で居心地の良い場所、というような意味合いになります。
積み上げ式の目標設定の弱点は、今の自分にできそうなことだけを投影してしまうところにあります。
見方を変えれば、その『コンフォートゾーン』から抜けない限りは現状維持、もしくは成長の衰退を辿るルートが見える、ということになります。
今年の12月を終えた自分の姿を、今しがた書き終えた目標設定のシートを見ながらイメージしてみてください。
「ワクワクしてますか?」
「ドキドキしてますか?」
「なりたい自分になれていますか?」
③ 自分の本音に気づく
前年度の手帳やスケジュール帳を見ながら、ある意味で予定調和的な、コンフォートゾーンの範囲内で決めた目標設定の多くは、ワクワクやドキドキを伴わないでしょう。
さて、それでは質問です。
「あなたが、本当は手に入れたいと思っている未来の自分は、どんな自分ですか?」
コンフォートゾーンから抜け出す必要はあるけれど、ちょっと居心地は悪くなるけれど、そのために得られるのであれば得てみたい…。
そんな手に入れたい、成長した自分の姿をイメージしてみてください。
ここで初めてあなたは、どんな未来から逆算して目標を設定すべきなのかが見えてくると思います。
④ 捨てる、手放すものを決める
③の質問に答えることで、あなたが潜在意識的に、本音の部分で、本当に得たい未来の自分の状態が分かりました。
次に考えるべきは、それを得るために何を捨てるのか、手放すのか? ということです。
すでに1月~12月の目標を積み上げ式に設定しているのでスケジュールはパツパツに埋まっているはずです。ですが、そのままでは得たい未来は得られない。
つまり今からあなたは、積み上げ式の目標設定でスケジュールしたもののいくつか、もしくは大半を捨てる、手放す必要があるということです。
- 捨てる=そもそも不要なので捨てる
- 手放す=必要なので人に依頼する
などの対策が考えられます。
ちなみに補足になりますが、けっこう多くの人が「自分のやりたくないこと」も含めて目標設定してしまっている傾向にあります。
私だったら、
「人見知りだけど、人が集まるパーティーに顔を出す」
「朝に弱いけど、頑張って朝の5時からブログを書く」
みたいなのは、基本的に目標設定の中の行動指針から削除します。自分のモチベーションを下げる要因は、少しでも設定の中から外しておくことが大切です。
多くの場合、“やりたくないけど、やらなくちゃいけないこと” の代替案は浮かぶものです。
解決策が浮かばない原因のほとんどが、ただ単純に考えていないだけ、だったりします。
⑤ 集中すべきものに集中する
多くの人は、スペースがないところに予定を詰め込みます。
場合によっては年間でこなせるかどうかのスケジュール量を1ヶ月の中に詰め込んで、必要に応じて臨機応変に実行する、なんていう目標設定をする方もいらっしゃいます。
ですが、目標設定をすることのもっとも重要なポイントは、修正点・変更点にいち早く気づくことができるという点にあります。
だからこそ、初めに年間計画を立てきって、月間の行動計画に落とし込み、それをさらに週の行動計画に振り分け、そして日々のタスクへとしていくわけです。
細かく立てるからこそズレにすぐ気づける。そういう側面があるわけです。(ちなみに私の場合は、週の目標までを決めるようにしています)。
ですので、ここまでの手順をおさらいすると、
- 積み上げ式に目標設定をする
- コンフォートゾーンに気づく
- 本当に得たい未来に気づく
- 捨てる・手放すことを決める
- やるべきことをスケジュールする
ここまでの時間配分として、積み上げ式の目標設定をするのに40分、2~4の作業を20分ぐらいで行えると良いでしょう。
そして、本当に得たい未来を得るために、あなたが本当にやるべきことは何なのかをしっかりと考え、スケジュールに反映させるようにしてください。
5の作業には改めて、30~40分の時間を充てるようにします。
⑥ 実行可能性をチェックする
最後は実現可能性のチェックです。
今回、なぜ最初に積み上げ式の目標設定を行ったのか? という理由をまず振り返ります。
この作業をすることによって、自分のコンフォートゾーンがどこにあるかが分かり、本当に得たい未来像が掴め、そして適切な手放しが行える、ということでした。
そして何よりも、ここまでの作業によって、
得たい未来を得るための挑戦(トライアル)と、コンフォートゾーンの領域内での行動配分が見えてくることが大きいと考えています。
多くの人は、
チャレンジ100%、コンフォートゾーン0%、みたいな目標設定を年始に掲げてしまうのですぐに挫折します。
これができるのは、目標達成の強み・才能を持っている人だけです。
そうでなければ、
- 切り捨てることでストレス
- 努力が実らぬ焦りでストレス
に耐えられるわけがありません。
私たちの大半は、目標達成の適性や資質がそもそもないので、必ずコンフォートゾーン内での行動も含めてスケジュールすることが重要になってきます。
ちなみに私は、「コンスタントに新規客を獲得し、売上を安定させること」が1つのコンフォートゾーンなので、この行動パターンばかりを繰り返す傾向にあります。
するとそこには新しい挑戦やトライアルがないため、年末になるといつも「去年と比べてあまり成長してないかも…」なんて思ってしまったりするわけです。
何のための目標設定か?
改めて今回の記事の趣旨をまとめると、
“目標達成できない人ための、目標設定法” ということになります。
じゃあそれって何のためにやるの? って話ですよね。
その答えは、ある意味でこの一言に要約することができるのかもしれません。
最終的に得たい状態にちゃんと向かっているのであれば、目的に向かっているのであれば、プロセス目標(KPI)はおろか、ゴール目標(KGI)も別に達成しなくて良いのではと私は思っています。
だって、どっちにしろ達成できないのだから。笑
だけど、自分がビジネスをする目的にはしっかりと、まっすぐに向かえた方がいい。
そのためには自分を成長させていくしかないし、その成長スピードを早めるには『期日』を設けた方がいい。
そしてその期日も、なんとなく定めたものではなく、しっかりと見定めたものである方が望ましい。
つまり、
「自分じゃなくてもいいこと」を手放し、「自分にしかできないこと」に集中する。
これが本当に大事です。
人の時間は有限です。本当に得たいものがあるのであれば、そこにできるだけまっすぐに向かえるに越したことはないのです。
あとから人生をふり返った時に、「無駄なものは何もなかった」と言うのは良いけれど、最初から「無駄かもしれない」ということに時間を割くのは愚策以外の何ものでもありません。
そうしないために、今日お伝えした6ステップの目標設定法があります。
まとめ
今回の記事は、
“目標達成できない人ための、目標設定法” でした。
それをする理由は、目標達成ではなく目的達成に向けて、まっすぐに自己成長するため。
そして、その自己成長のためには、成長スピードを加速させるための適切な『期限』が必要ということでした。
そのための6ステップがこちら。
- 積み上げ式に目標設定をする
- コンフォートゾーンに気づく
- 本当に得たい未来に気づく
- 捨てる・手放すことを決める
- やるべきことをスケジュールする
- 実現可能性のチェックをする
「自分でなくてもいいこと」を手放し、「自分にしかできないこと」に集中する。
これを実現させるため、何を捨て、何に自分は集中すべきかをぜひ見極めてください。