セミナー業界では、結果を出せる人間はわずか2割にすぎない、という通説があります。
私の分析では、受講生が増えれば増えるほど、個別対応ではなく、一般論(つまりノウハウ)に頼らざるを得ない部分が出てくるからだと考えています。
これもこれで問題ですが、もっと問題なのは、いくつもの経営塾を受講し、個別でも何人かのコンサルタントを雇ったにもかかわらず成果が毎回出ない人たちです。
彼ら彼女らは、なぜいつも学びを結果につなげられないのか?
共通しているのは、成果の出ない人たちは一貫して、「正解が外にある」と考えています。
つまり、成果が出るノウハウがこの世に存在する、と勘違いしています。今日はそのあたりを詳しく書いてみようと思います。
ノウハウは再現性のあるレシピだって本当?
再現性のある「コンサルティング」はあると思いますが、再現性のある「ノウハウ」って本当にあるの??
ってすごく疑問を持っています、私は。
そもそも「ノウハウ」とは何か?という定義を共有するところから本題に入っていきましょう。
ノウハウとは何か?
ノウハウとは、過去に誰かがうまく成功させた、知識や手法を指します。
一般的には「料理のレシピ」に例えられます。どんなに素人でも、レシピの通りに調理すれば、一流シェフと同じ料理が作れる。そういう再現性がノウハウにはあると言われています。
本当に再現性があるの?
ビジネスとSEO対策に「絶対」はない、と言われています。
そういう視点で行くと、再現性のあるノウハウは、ビジネスやSEO(検索)対策の分野ではゼロと言えます。
成果の出やすい、効果性の高いノウハウ、というものならあると思いますが。
2割の人間しか再現できない理由
とはいえ、一部の人間(およそ2割の人)は、ノウハウを使って成功を再現できる、と言われています。
その大きな理由のひとつに、そのノウハウを生み出した人とその人が似ていた、という事実があると思います。
冒頭で、「ノウハウは料理レシピ」に例えられる、と書きました。ですが人間と食材は違います。同じ味の食材は存在するかもしれませんが、同じ人間は2人と存在しません。
つまりその時点で、ノウハウに再現性がある、というのはどこか無理があるのです。
ノウハウを正しく自分に生かすために
では、なぜそんなに再現性が低い「ノウハウ」を教える人が存在するのでしょうか?
その1つの理由は、たとえ再現性が低くても、可能性がゼロではない以上、そこには価値があるからです。走り方とか泳ぎ方にしても、先人のノウハウの蓄積のおかげで、人類は進化してきたと思います。
ですが、全員がオリンピック選手になれないのと同じで、再現性が100%なわけではないのです。そんなノウハウを、どのように扱っていけば自分のために生かせるようになるのでしょうか?
ノウハウの利用条件を確認する
ノウハウには利用条件というものが存在します。
たとえば、アメブロ集客のノウハウをあなたが知ったとしましょう。ですが、あなたのお客様がアメブロ上に存在しなければ、そのノウハウは効果がありません。
アクセス(PV)や読者は確かに増えるかもしれませんが、売上につながる集客ができるとは思えません。
このように、ノウハウには利用条件というものが存在します。
必ず微調整(ツイーク)を行う
例えば、PFS(プラットフォーム・セリング)というパワフルなセールス手法があります。
檀上からの販売、というのが直訳ですが、簡単にいうと、セミナーを開いて、受講生全員へ向けて最後にセールスをする方法です。
これも非常に効果的な方法ですが、習った通りにすぐ使えるものではありません。
自分のお客様が男性なのか女性なのかによっても使うスライドの雰囲気を変える必要がありますし、参加受講生が10人未満と10人以上の時では成果の出方も変わります。
このように、条件が少しでも変われば微調整をすることが求められます。これを怠ると、たちまちに再現性のない役立たずなノウハウへと転落してしまいます。
時代の動きを見る
ノウハウには、時代の動きに左右されるものが多く存在します。
たとえば今どき、「mixi集客」を熱心にやっている人はいないと思います。完全に時代遅れです。
Facebookやアメブロ、メルマガ、LINE@ですら、時代の流れや動きを読まなければ、すぐにノウハウは使い物にならなくなります。
ノウハウに頼らない働き方
ノウハウはまったくの役立たずというわけではありません。
ただ、再現率が100%なわけではないというだけです。食材が変わればレシピの内容も変わるように、使う人が変わればノウハウも微調整する必要がある、ということです。
ですが、そんなあやふやなものを追い求めることに、一体どれだけの価値があるのでしょうか?
最後の章では、ノウハウに頼らない働き方についてお伝えしていこうと思います。
ノウハウは自分で生み出す
そもそも、誰かにノウハウを教わろうという発想を疑ってください。
多くのコンサルタントが、「この方法を使えばあなたも成功できる!」みたいに煽ったりPRしたりするので騙されてみたくなるかもしれませんが、どんなノウハウであろうと成功率は2割です。
そんな低い確率ならば、人に頼らずに自分でノウハウを生み出す方がはるかに確実です。
仮説からの実践検証
「こうやったらうまくいくかもしれない」という仮説を立てたら、まずは実行に移します。
1日~1週間もあれば、その手応えを確かめることができると思います。そしたらその期間に行った行動を振り返りましょう。
うまくいったこと、うまくいかなかったことを分類し、成功要因だけを抽出しましょう。
うまくいったことを繰り返す
起業は0→1を生み出す行為であり、経営は1を積み上げて増やす行為と言われています。
1を積み上げていくという行為は、非常に地味です。まるで会社員のルーティーンワークです。ですが、うまくいったことを繰り返すので、成果にはつながりやすいわけです。
何度繰り返しても成果の再現ができるのであれば、あなた独自のノウハウの完成です。
まとめ
ノウハウの再現性は、本当に低いものです。2割の人しか成果が出ない理由はそこにあります。
そもそも人間という名の食材が違うのですから、レシピのように同じ味を再現できるわけがないのです。
だからこそ大事なのは、人の作ったノウハウではなく、自分自身でノウハウを生み出す、という行為なのです。
自らノウハウを生み出すためには、ビジネスの本質、原理原則を知る必要があります。
それさえ知っていれば、ノウハウなんて無限にアイデアとして生み出せます。ここまで来れば、あとは自分で実践し、再現性があるかどうかのテストを繰り返すだけです。
ノウハウではなく、ビジネスの本質に目を向ける。まずはそこから始めてみてはいかがでしょうか?