「ネットビジネスに飽きたな……」
そんな風に感じている方も多いのではないでしょうか。ネットビジネスと一言でいっても思い浮かべるイメージは一人ひとり様々です。
ここではイメージを共有するために、以下のような働き方をすべてネットビジネスと定義したいと思います。
つまり、インターネットを使って仕事をするスタイルで、仕事内容によっては時間、場所を選ばず好きなことでお金を稼げる特徴があります。
特に形のない無形商材を扱う場合には、在庫リスクゼロの高利益率でビジネスができるという部分も人気の秘密です。
一見して魅力だらけのネットビジネスに「飽きた」と感じる原因は何か? そんな私たちはどこへ向かえばいいのか?
私の今の心情も踏まえながら、ネットビジネスに飽きた人間の今後について書いてみたいと思います。
ネットビジネスに飽きる3要素
2011年の7月に私は転職をし、ネットビジネスによく見られる『ブログ』『メルマガ』を使った集客法を学び実践することになります。
2014年頃になると、SNS(特にFacebook)を使った集客ノウハウを学び実践するようになります。2015年の4月には独立も果たします。
結果、こんな感じにはなりました↓
成果も出て魅力も感じていたネットビジネスに、なぜ私は飽きてきたのでしょうか。
そこにはネットビジネスに飽きる3要素があったように思えます。その3つとはこちら。
- ビジネス構造が単純
- 周囲の評価が気になる
- 結局は自分のため
一つひとつ見ていきます。
ビジネス構造が単純
私が扱ってきたネットビジネスは、SNSやブログなどで集客をする『コーチ、コンサル、セラピストなどの講師モデル』です。
フロントエンドと呼ばれるお試し商品でお客様を集め、バックエンドと呼ばれる本命商品を販売して利益を得る、という方法です。
基本的にフロントエンド×バックエンドの構造はどのビジネスでも一緒ではありますが、講師モデルに限って言うと、『低価格セミナーのフロント×高額の塾(または継続コンサル)というバックエンド』という一辺倒。
この『フロントエンド→バックエンド』の単調な繰り返しに “飽き” が生じやすい原因があるかなと思っています。「いつまでこの高額商品を売り続けなくてはいけないだろうか……?」という具合に。
同じSNS内で皆が皆、似たような方法で集客をしているのが見えてくると、せっかく独自性や個性を出していくことに魅力を感じていた働き方がコモディティ化、大衆化してしまったように感じて陳腐に思えてくるのです。
周囲の評価が気になる
前述したように、ネットビジネスは在庫リスクが限りなくゼロで利益率も高く、それゆえに参入障壁も少ないという特徴があります。
リスクが少なく、ハードルが低い…、ということは『起業リテラシー』が低くてもスタートさせることができる、という意味にもつながります。
ここでいうリテラシーとは、基礎知識、応用・判断力などの能力を指します。つまり、事業計画書が書けなくても、決算書が読めなくても起業を始められるということです。
起業リテラシーが低い人たちの集積地(クラスタ)は、質が低くなる傾向があり、外部からの評価が下がる傾向もあります。
起業クラスタ、仮想通貨クラスタ、というようにTwitterで囁かれるような業界になってしまうと、総じて一般的な評価が下がる印象があります。
もちろん自分は自分ですし、周囲の評価なんて気にしなくてもいい、という側面はあります。
ですが、事業の規模感を大きくしようと考えたり、一般消費者向けのサービス展開を考える人にとっては足かせになる場合も少なくないように感じています。
そのもっとも大きな課題が、『ネットビジネスは情報弱者を相手に金儲けをしているのではないか?』という認知のされかたをしている、という点ではないでしょうか。
結局は自分のため
「月に100万円稼げる方法」というような表現がネットビジネスでは目立ちます。
ですが、月に100万円とか年商1000万円という数字は決して豊かと言えるような数字ではありません。未来が不確定な『起業』という働き方を考えるのであれば、むしろまだまだリスクの方が大きいです。
夢があるようで、実はそんなにネットビジネスに夢はないと私は思っています。
それでも「月に100万円稼げる方法」に興味を持つということは、まだまだ自分の最低限の欲求も満たせていない、ということを表しているようにも感じます。
「ビジネスって何のためにあるの?」
そんなシンプルな質問を投げかけた時、自分の心の奥底で「自分が豊かになるため」というフォーカスが当たっている人は個人のネットビジネスの領域で十分かもしれない。
だけど、「社会のため、業界を変えるため」という意識にフォーカスがある人はきっと、個人のネットビジネスはどこか物足りなく感じるのではないでしょうか?
スタートアップが見ている世界
社会起業家という枠組みに限らず、スタートアップやベンチャーを名乗る企業はこれからの日本を変えていくというイメージが私にはあります。
ベビーシッターの文化を日本に広げようとしている「キッズライン」さん、日本の伝統を未来につなげたいと願う、伝統産業を用いた0から6歳の「伝統ブランドaeru」さん、”シゴトでココロオドルひとをふやす” を理念に掲げる採用マッチング「Wantedly」さん。
大手企業と比べればまだまだ小規模な事業であったとしても、日本や世界をこれから変えていくのはこれらのスタートアップ企業、ベンチャー企業だと思います。
ネットビジネスの「for 自分」というフォーカスが当たった働き方に比べ、貢献度も働き甲斐も全然違うように見えてしまうのは私だけでしょうか?
まとめ:私たちの選択肢と可能性
今日の記事で私が伝えたいのは、「ネットビジネスを辞めて、スタートアップとしての起業をしましょう!」ということではありません。
純粋にネットビジネスへの飽きと向き合い、その上で私たちにどんな選択肢があるのか、ということをテーマに掲げてきたつもりです。
会社員に戻るのもアリ、それも大企業ではなく面白みのある若いベンチャー企業やスタートアップを狙う、というのは未知が広がる印象があります。
フリーランスとしての道を究め、取引単価を上げながら、自分をもっとも活かせる職場で有意義に働くのもアリ、ネットビジネスの枠を超えて規模を拡大するのもアリ。
ネットビジネスを横展開し、ブロガーになったりユーチューバーになる選択だってできます。
大切なのは、自分の「飽き」がどこから生じて、それを満たせるものが「どこ」にあるのかをまず知ることにあるのかなと思います。