「あなたのお客様はどこにいますか?」
これはとても重要な質問です。あなたの商品に興味を持つ人がどこにいるのかを知ることで、集客の仕方がまるで変わるからです。
悩みを抱えた人がネット検索で解決法を探しているのであれば、お客様は『検索の先』にいます。
なんとなくヒマつぶしにSNSをやっている人が、たまたま魅力的な写真に触れて興味を持つのであれば『インスタグラムの中』にいます。
「肩が凝ったな、腰が痛いな」と考える人が近所や駅の近くで探すなら、『住まいから徒歩数km圏内』にお客様がいます。つまり、チラシ等が有効です。
この肝心な質問、「お客様はどこにいるのか?」という質問に答えられない方が、起業初期の方に多く見受けられます。
その原因は何か、そして解決法は何か?
この記事の中でお伝えしていこうと思います。
なぜ見込み客の居場所が分からないのか?
見込み客がどこにいるのか分からない人にもっとも多い原因が、自分の商品が何かを分かっていない、という人たちです。
もう一度言いますね。
「自分の商品が分かっていないから、見込み客がどこにいるのかも分からない」
というのが最も多いケースの1つです。
もう少し具体的に言うと、ターゲットの選定が甘い。つまり幅広い悩みに対応しようと考えるあまり、結局のところ何屋なのかが分からない、何の専門家なのかが分からない、という状況に陥るのです。
少し具体的に見ていきましょう。3つほど例を紹介します。
①対象のお悩みがぼやけている
「美しい生き方をご提案します」
というサービス内容だったとしましょう。肩書きは「幸せメーカー」と名乗っています。
さて、この時点で何屋なのか分かるでしょうか。ぶっちゃけ、分かりませんよね。
見込みのお客様は、SNSの中にも検索の先にも、チラシの配布先にもいるような気がするし、いないような気もします。
②アメブロ×フェイスブックの毒
ブログやSNSを使った集客法は、時に人を盲目にさせます。
あなたのお客様となりうる人はブログを検索で探すかもしれないし、SNSの中にいる可能性もあります。
ですが、「果たして本当の本当に効果的か?」という疑いをもって考えなくてはいけません。
高単価で信用と信頼が必要なエステやパーソナルトレーナーさんの場合ですと、しっかりとしたホームページを作って広告を出す方が効果的なこともあります。
ペット向けのサービス等を考えても、ブログやSNSの中にお客様がいる可能性は確かにありますが、それよりは趣味サークルへの参加やタウン誌での広告が有効な場合もあります。
普通に考えればお客様の場所が分かるはずなのに、ノウハウに惑わされてしまいお客様の居場所を見失うこともあります。
③悩みベース or 欲求ベース
子どもの病気や発達障害、または自身のうつ病で悩んでいる時に、SNSの中で解決策を探すでしょうか? どちらかと言えば、Googleの検索で解決法を探すでしょう。
一方で、話題性のあるイベントや企画をPRしたい時に、Googleの検索対策は有効でしょうか? それよりは、メディアに取り上げられるようなプレスリリースを出したり、SNSで拡散されるような施策を打った方が効果的な気もします。
自分の提供サービスが、悩みベースなのか欲求ベースなのかによって見込み客へのアプローチの仕方も変わってきます。
自分の商品をこう分析しよう!
見込みのお客様の居場所を探す、いちばん簡単な方法があります。
それが『競合リサーチ』です。
まずはあなたの事業ドメイン(○○事業)を明確にしましょう。飲食業なのか、士業なのか、インターネット事業なのか、という具合です。
中にはうまく一言で表せないケースもあると思いますが、その時はまったくの赤の他人に説明しても一言で通じる定義を使ってください。
例えば『ウォーキング』というものがあります。
これを『健康事業・ダイエット事業』に位置付けるのか、それとも『モデル事業』に位置付けるのかでは、同じ歩き方の指導でも事業ドメインが変わってきます。
事業ドメインが分かったら、今度は『ターゲット層(顧客層)』が似ているライバル(競合)を探してみましょう。
年代によって見る広告媒体が異なりますし、悩みの種類によっても変わります。
子供向け?高齢者向け? 男性向け?女性向け? 節約系?稼ぐ系? 健康系?美容系?
ライバル(競合)が見えてきたら、いよいよリサーチです。どこで集客しているか、どのようにアプローチしているのか。
それが分かれば後はマネをするだけです。その際にいくつか注意点がありますので、コツをお伝えします。
成功者の「今」を見ない
どの分野においても、ある程度経済的に成功している人たちは『圧倒的知名度』『高額の広告投資』『独自の人脈』など、すぐにはマネできないところで集客していることも多いもの。
これから起業を考える人であれば、成功者の「今」ではなく「過去」に注目してください。ブログを遡るなり、関係者を見つけて聞き出すなど、実行できる方法で情報収集します。
自分と同じステージだった頃にやっていた方法をマネするのをお勧めします(ただし、mixiなど流行ものの集客法もあるので、その場合はダイレクトにマネはできません)。
大量にリサーチせよ!
同業のライバル(競合)をリサーチするときに、1人や2人を見るぐらいではいけません。できるだけ多く、50件、100件とチェックしてください。
ブログ、SNS、メルマガ、ホームページなどのネットで探せる場合にはそんなに労力もかかりません。
参加できる範囲であれば、セミナーや交流会など、ライバルが主催しているイベントなどに参加してみるのも良い経験になります。
ライバルがいない?
「ライバルはいません」と言い出す人がたまにいます。
そんなことはありません。もしそうだとすれば、あなたが扱おうとする商品は売れない可能性があります。
ライバルがいないということは、そこでは売れないということです。
こう説明すると「ライバルがいない商品や集客場所を見つけた方が有利なんじゃないですか?」と異論を唱える方もいますが、基本的にはライバルがいた方が良いのです。
売る人・買う人がいて初めて市場(マーケット)が作られます。マーケットのない場所で起業することは、自分が一からマーケットを作り上げるということ。
信じられないほどの労力がかかります。それを覚悟の上であればぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
競合(ライバル)を見れば、どこに見込みのお客様がいるのかは分かります。
自分のお客さんになる人がどこにいるのか見当もつかないという多くの人は、自分の商品が
『誰のためのもので、どんな問題を解決し、どんな欲求を満たすのか』
を具体的に理解していない傾向にあります。
自分の商品が分からなければ、当然競合するライバルも分かりません。
見込みのお客様が集まる場所が分かり、ライバルがどのようにアプローチしているのかが分かったら、まず同じように集客を仕掛けてみましょう。
え? やり方が分からない?
そしたら、セミナーへ参加するなり専門分野のコンサルタントにお願いするなりという対処をしましょう。
営業代行の会社を調べて外注したりするのも手段の一つです。
もしかすると、グーグルで少し検索すれば答えが載っているかもしれません。そのぐらいの努力はしてみても良いですよね。
見込み客がどこにいるのか分からない原因。それは、あなたが自分の商品を正しく理解していないに過ぎない、ということです。
それが分かれば、踏み込むべき市場(マーケット)も競合ライバルも自ずと見え、集客のアプローチ法も分かってくるはずです。
まずは自分の商品を知りましょう。