小さな会社であればあるほど、その会社でもっとも大切な資源は「社長」であるあなたの人件費です。
社長の人件費というリソース(資源)をいかに有効に使えるか。
それこそが個人企業において「稼げる社長」になるための原則であり、鉄則です。
今日は「社長という人件費の有効活用の仕方」という視点から、売上の仕組みを一緒に考えていきたいと思います。
商品力こそが最大のポイント
実は「商品力」がどれだけあるかが小さな会社、個人企業では必須になります。
多くの方が「集客」に力を入れようとしますが、実はそこそこの商品力しかない場合、集客ができればできるほど、悪循環を引き起こします。
その例を見ていきましょう。
悪循環を生む典型パターン
もっとも最悪なのが「そこそこ」の商品を、集客の時点で大きく魅せてしまい、お客様の満足すら得られなかった場合です。
商品自体がそこそこ良くても、事前の集客でムリに集めようとすると商品価値がないものを買わされたかのように捉えられてしまいます。
また、意外に盲点なのが「そこそこ満足してもらった」という状態です。
満足はしたけれど、もう一度買おうとは思わないし、友達に口コミなどで紹介しようとも思わない。
売り手からすると、1回客止まり、ということです。
これは集客コストを十分に回収できないことも考えると、ビジネス的には非常によくない状態に陥ってしまいます。
基本的に、新規集客コストはマーケティング上もっとも費用が大きいと言われるので、リピーターのつかないビジネスは継続性が弱くなります。
稼ぐ社長の会社は、どんな商品を売ってる?
稼いでいる個人企業の社長は「少ない集客で、確実に成約する」ということをしています。
つまり、商品に興味がある人に対して、ほぼ100%で成約する、つまり買っていただけているということです。
集客する人数が少ないということは、売っている商品の単価が高いということを意味していますが、ポイントはそこではありません。
重要なのは、お客様のBefore After にコミットする力(約束する力)が強い、ということです。
そして同時に、自分たちのお客様が「だれ」なのかをよく理解している、ということにもなります。
商品力と社長の時間の関係
小さな会社の場合、社長自らが営業に出るということも少なくありません。
完全に個人で経営しているのであれば、その確率はさらに増します。(もちろん営業を外注していたり、仕組み化している方もいると思います)。
ただいずれにしても、集客や商談の段階でムダな時間は使いたくないのです。
ということはつまり、集客し続けなくてもリピーターのお客様でビジネスが回るようになったり、一度商談に来てくださった新規の方であれば、確実に顧客(クライアント)になってもらうことは重要です。
社長の仕事は従業員が働きやすい環境を作ること、と言われています。
そのためにも、
- 資金源を確保する力
- 事業の未来の一歩先を読む力
この2つの力は必須となります。
ということは、集客や商談(セールス)で余計な時間的コストをかけている場合ではないのです。
売れる商品の本質を理解する
売れる商品には、
- 集客がしやすく
- 成約がしやすい
という特徴があります。
当たり前のことのようですが、世の中の大多数は「そこそこ」の商品であり、頑張らないと集客もセールスも決まらないということです。
売れる商品はクロージング不要
売れる商品というのは、仮に少ない集客だったとしても、確実に買われていきます。
お客様の方から「コレ」が欲しかったんです、と言ってもらえるということです。
つまりどういうことか?
これは、
- お客様が誰なのかを理解している
- お客様の悩みを熟知している
- 届けるべきメッセージが明確である
ということでもあります。
私もコンサル業をしていると「やってしまった…」と思うことがあります。
それは「お客にすべき人ではない人が体験コンサルティングに来てしまう」ということです。
成約率を限りなく100%にするためには、この人のためになら絶対に絶対にお役に立てる、結果を出してあげられるという確信を持てる人にだけ来ていただく必要があります。
これは「自分のできること(守備範囲)」と「お客様の求めるBefore After」をよく理解しておかないと実現が不可能なのです。
売れる商品はお客様を幸せにする
お客様にとって良い商品とは、約束を叶えてくれる商品です。
スカイダイビングをしたい人には、スカイダイビングの体験を。
泳げるようになりたい人には、泳げるようになる体験を。
当たり前のことのようですが、お客様の望みを叶えてあげられる商品こそが、お客様にとっての良い商品です。
一見してなんてことのない小物グッズでも、それが「お土産」や「記念」になった瞬間に、お客様にとって大きな価値が生まれます。
売り手側の思う「良い商品」ではなく、お客さまから見た「良い商品」は、顧客満足度を高め、リピーターを生み、社長の働く時間を減らします。
ここまでの前提が揃って初めて、社長は本当に使うべきところに自分の力を割けるようになります。
ホンモノの商品はどう生まれる?
社長にもさまざまな種類があります。
営業畑の社長もいれば、技術畑の社長もいます。
ですが、仮にスタートがどうであれ、社長の仕事は社長の仕事です。
事業を拡大するためには「人」が必要です。
人に仕事を任せるためには「仕組み」が必要です。
仕組みを動かすためには「社長の時間」が必要なのです。
そして、その最初の「人」を雇うためには売上が必要であり、その売上を作るためにも「良い商品」が必要なのです。
もちろんお客様にとっての良い商品、つまり「ホンモノの商品」です。
その構成要素だけを最後におさらにしましょう。
自分の守備範囲
自分そのものが商品という場合(ex:コンサルタントなど)、守備範囲を知ることが大切です。
もし守備範囲を超える場合には、外注やスタッフを雇うなどの「他力」が必要になります。
お客様へのお約束
守備範囲をしっかり守り、お客様のBefore After をお約束する。
そのためにもお客様のことをしっかりと理解し、必要なメッセージを送ることが重要です。
感動を生み紹介を得る
個人、または小さな会社の場合は、商品やサービスを提供した後に「紹介をいただけるかどうか」が大切です。
先述したように、集客はもっともコストのかかる行為です。そこの労力を最小化する意味でも、紹介が取れるかどうかは最重要ポイントの一つです。
まとめ
個人事業主の働き方を越え、個人企業という小さな会社を運営する「社長」の働き方。
それを実践するためにも「商品」の力が大切だということを再確認してきました。
一見して当たり前のようですが、お客様を魅了して止まない商品を持っている企業というのは少ないものです。
ぜひ今後の事業拡大を視野に入れている方は、もう一度だけ自社の商品を振り返ってみてください。
商品が優れていれば、売るための労力が極端に減ります。
そうすれば人を雇って社長の時間を作ることができます。これを仕組み化と言います。
ここまでくれば、メディアへのPR活動を一気に進めても顧客満足度を下げることなく事業拡大をするための一歩となります。
ぜひ本命商品の点検、してみてくださいね!