「女性起業・起業女子の世界は、本当に起業なのか?」
あなたはこの発言、どのように感じられますか? 今日はこの「起業」という言葉の定義を少しまとめていきたいと思います。
「起業」「個人起業家」「個人事業主」「フリーランス」……。わたしはどれ? ってことです。
会社員 or 個人事業主?
一般的に、会社などの組織を辞めて独りで働くような税務上の区分を「個人事業主」と言います。なので、実際に使われるパターンとしては「会社勤めですか?」「いえ、個人事業主です」という使い方になります。
起業家と個人事業主の違いは何?
新しく事業を始めるという意味では共通していますが、会社などの法人を設立した場合に「経営者」と呼ばれるようになることが多く、独立した個人として働くスタイルを一般的には「個人事業主」と言います。
昨今、起業家という表現は、スタートアップを起業する場合に主に使われます。VCやエンジェル投資家からの資金調達をベースに、IPOまでを短期間に実行するようなスタイルです。
つまり、SNSの世界及び、女性起業、起業女子と呼ばれる世界の中で働いている多くの人は、実際のところ「起業家」ではなく「個人事業主」なのです。
じゃあフリーランスって何?
フリーランスとは、法人と雇用契約を結ぶのではなく、単発で仕事(案件)ごとに契約を結ぶ働き方、契約のスタイルを言います。
つまり、会社などの営利法人等を設立したわけでもない個人のビジネスを持つ人々のほとんどは「個人事業主」や「フリーランス」である、というのが正しい表現になります。
「起業」と「起業家」の違いは何?
新しく事業を始めることを「起業」と呼びます。
ですので「起業しなよ!」という表現は必ずしも「会社を作りなよ!」という意味ではなく、あくまで「新しく事業を始めなよ」ということになります。
「起業」した人の中で、法人を設立した人が「起業家」で、個人の働き方をする人が「個人事業主」です。
フリーランス=個人事業主、というわけではない
ややこしいですが「個人事業主」というのは税務上の区分の問題であり、必ずしも「フリーランス」とイコールであるとは限りません。
独りで飲食店を切り盛りする「屋台のおっちゃん」とかは、フリーランスという感じではないですよね?笑 インターネットを介して物販などを行う方も一般的にはフリーランスとは呼ばれないそうです。
最初の例えが悪かったですが(笑)、自宅サロンなどを運営する個人も「フリーランス」という感じではないので、この場合は「個人事業主」です。
会社員でも「個人事業主」にはなれます
いわゆる「副業」をしている人は、会社員であり、かつ「個人事業主」でもあるわけです。当然、税金の支払い義務が別途生じますので、このあたりで副業がバレる、バレないの話が出てくるわけです。
一番ややこしい「個人起業家」とは何か?
これは完全に言い方の問題で、多くの場合は無形商材(特にコーチ、コンサル、セラピスト、講師ビジネス)を扱う人個人事業主のことを「個人起業家」と呼んでいる傾向にあります。
私もこのブログの中では個人起業家という表現を使いますが、一般的には普通の「個人事業主」ということになります。
例えばサロン集客コンサルタントとして、自宅サロンを経営する女性のサポートをしている場合、社員として雇われているわけではありませんね。
個人コンサルタントの多くは、会社を設立していない限り「個人事業主」という税務区分です。
以上のことから、「起業」という言葉の定義、ハードルが下がってきていることから、一般的には「個人起業家」と、特にSNS上では言われるようになったわけです。
ただし、一般的にはまだ「個人起業家」よりは「個人事業主」という呼び方の方が一般的ですので、誰もが知っている前提で周りの人たちと会話していると話がかみ合わないことも出てくると思います……。
SNSを使って活躍する「個人起業家」たち
「コーチ・コンサル・セラピスト」と一括りにされることの多い「個人起業家」という働き方のスタイル。
これらは、女性起業市場、起業女子ブームの背景から、ただの個人事業主とは言い切れないニュアンスも実際には含まれることも増えてきました。
従来の個人事業主とは異なる「個人起業家」ブランド
SNS起業という言葉も生まれるぐらい、小さな事業(=スモールビジネス、マイクロビジネス)を興すことが容易な時代となりました。
例えばフリーランスとしての職種で代表的だったのが「WEBライター」や「WEBデザイナー」などの、クラウドソーシングを利用した働き方でした。
つまり在宅での仕事でありながら、文章スキルやデザインスキルを活かし、インターネット上でサービス提供をする形が一般的でした。
多くの人がイメージする「フリーランス」「フリーランサー」というのは、このイメージではないでしょうか?
つまり「フリーランス」と「個人起業家」はまったく別モノです。
「個人起業家」=年商1000万円?
やはりこちらの本の影響は大きかった。
『可愛いままで年収1000万円』
(宮本佳美/WAVE出版)
完全に私(大崎)の個人的主観ですが、こういった女性起業ブームを先導した女性起業家の方々の活動は、かなりの火付け役だったように思えます(クライアントの方で宮本佳美さんを知らない人はいないぐらい…)。
ここから「個人起業」「SNS起業」「ママ起業」「女性起業」「起業女子」「キラキラ女子」と…。
最後は「起業家」の影さえ薄れ、ただの「キラキラ女子」になってしまいましたが。。苦笑
まとめ
最後にちょっと話題は逸れましたが、要約すると、SNS上で活躍する年商1000万円未満の方の多くは、個人事業主であることが分かりました。
これが継続的に年商1000万円以上を売り上げていると、消費税の関係などもあることから法人設立を行うようになるほか、ビジネスをする上で法人契約をしたい方は特に信用の問題もあるので法人化に踏み切ることが多いようです。
以上、
「個人起業家とフリーランスって何が違うの? 起業とは何か?」でした。