個人でビジネスを始めようと思った時に、もっとも成功確率の高いものの一つに「スクールビジネス」があります。
別名で「講座ビジネス」と呼んだりもしますが、自分の知識や経験、スキル、ノウハウを人に伝えるビジネスです。
本日の記事では、その「スクールビジネス」を個人で行う場合の集客と運営のコツについてお伝えします。
写真は「料理教室」をイメージしましたが、ちょっとスクール感が出なかったので、参考までに「管理栄養士/インナービューティープランナー」の木下あおいさんの動画をリンクしておきます(https://youtu.be/3ZccAysZjAI?t=1m59s)。
商品は1つに絞る
まずはあなたの商品を作ることが先決ですが、その際にポイントが1つあります。
それは商品を1つに絞る、ということです。一般的に短期の集中講座でも1ヶ月~3ヶ月の期間を設けることが普通です。
仮に3ヶ月のスクールだとして、あなたが開催できるのは年に最大で4回までです。1つのスクールを満席にするのも大変なのに、それが2つも3つもあると集客をするだけで精いっぱいです。
さてそれでは、商品を1つに絞る際に、どんなコツがあるのかを見ていきましょう。
コツ① 目的を明確にする
参加者の方々に何を提供するのか、どうなってもらいたいのかを先に明確にします。
例えば料理スクールでいうと、3ヵ月で-5kgを目指すコースとか、料理教室を開けるようになる講師養成コースなどが考えられます。
コツ② 守備範囲を明確にする
個人で活躍する専門家が圧倒的に増えている世の中です。たとえできることが複数あったとしても、その中でもっとも自分の強みが発揮できる分野に絞ることが必要です。
仮に絞りきれないという悩みがあるとしたら、まずは複数の分野で活動しても構いません。お客様と接する中で、少しずつ周囲に求められるものが分かり、自然と専門分野は絞られてくるからです。
コツ③ フォロー体制を決めておく
講座スクールビジネスを展開する際に、お客様側が気になることの1つに「フォロー体制」があります。
1ヶ月~3ヶ月で成果が得られると分かってはいても、受講前というのは卒業後のフォローのことが気になるもの。そこまでを視野に入れながら商品の設計をしていきましょう。
集客はシンプルにする
集客には「動線」と呼ばれる仕組みが必要になります。
具体的には、無料で情報を提供する機会と、実際に会える場、相談ができる場、そしてお申込みができる場が必要です。
詳細については以前の記事(集客で絶対に外してはいけない動線の作り方とは?)の中でも触れていますが、基本は上記の4つを押さえることが必要です。
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動線についての具体的な考え方は、以下の通りです。
1. 説明会と体験会を用意する
ここからは「3ヶ月の料理教室」というスクールが商品という前提でお話を進めます。
もしあなたがこの3ヶ月スクールに通うかどうかを考える時に、どんなスクールなのか「説明」が欲しいと思いませんか?
カリキュラムや講師、価格のことなど、聞きたいことはたくさんあると思います。
一方で、実際に説明を受けたとしても、本当に自分にできそうかどうかを実際に試してみたいと思いませんか? 受講前の多くの人が抱える悩みの一つに「ついていけるかどうか不安」というものがあります。
それを解消するためにも「体験会」を用意しましょう。説明会と同日開催でも構いません。
一般的に説明会や体験会の価格は「3,000円~5,000円」の範囲で行われることが多いです。
2. 個別相談の機会を用意する
説明会や体験会だけでスクールへの入会を決める人もいますが、もっと細かいところまで個別で相談をしてから決めたいと考える人もいます。
これは、スクールの料金によって対応が変わる場面でもあります。
これも1つの相場感覚ですが、3ヶ月程度のスクールの場合、10万円~50万円の範囲で開催されることが多いです。
価格が高くなればなるほど、お申込みを検討する方も慎重になります。すでに説明会や体験会に参加してくださった方には「無料」で個別相談の機会を設けても良いでしょう。
オンライン(SkypeやZOOM)で説明会~個別相談をマンツーマンで一挙に行う場合は、無料ではなく5,000円ぐらいの価格で設定をすると成約率は高まる傾向にあります。
3. 情報提供の場を作る
せっかく作った「説明会」や「体験会」も、それを知らせる場がなければ誰の目にも触れることがないままです。
ホームページやブログ、メルマガ、フェイスブックページなどは「お知らせの場」としても最適です。
TwitterやLINE@の場合は一度に送れる文字数に限りがありますので、活用するとしてもしっかりとスクールの内容が書かれたご案内ページへ誘導することが大切です。
ただし、ここでもう1つ作業があります。それは「お知らせの場」を知らせる、という作業です。
告知案内を書いたホームページを作ったとしても、それが誰の目にも留まらなければ意味がないので、その「お知らせの場」を知らせるために、SNSやチラシ、DMなどを活用する必要があります。
ここまでで、「情報提供の場→「説明の場」→「相談の場」→「申込みの場」が用意されました。
シンプルが複雑になる理由
これまで多くの個人起業家のスクールビジネス立ち上げサポートをしてきた経験と、私自身の経験を踏まえ、なぜシンプルなはずのスクールビジネスの構造が複雑になってしまうのか?
その原因についても3点ほど触れておこうと思います。
モニター商品が悪の根源
これまで会社員しか経験したことがなかった人が起業を考えると、まず最初にぶつかるのが「商品」への不安です。
特に自分オリジナルの商品を作った場合、本当にこれでうまくいくのか? という不安がたいていの人は生まれます。その時に発想する手段が「モニター商品」という考え方です。
要は、商品力の腕試しとして「自信がないからモニター価格で割引きするから多少の質の悪さには目をつむってね」というもの。
そもそも「モニター商品」の考え方がこの場合は間違っているのですが、それでもやはり多くの人は最初に「モニター商品」という名の実験商品を売り出します。
(本来的には、想定の中で確実に成果が出ると判断したものを、実際に現実でも再現性があるかどうかを試すのがモニターです。自分の腕試しとして使うものではありません)
そしてなぜこの「モニター商品」が悪の根源なのかというと、たいていの人は「1回2時間5,000円のセミナー」という形でモニター商品を売り出すからです。
そしてその商品が当たると今度は、どんどん「2時間5,000円の格安セミナー」として中途半端な売上を安定して稼げるようになり、いつの間にかお客様の方にも「2時間5,000円の人」というイメージが定着します。
こうなると人は変化を怖れますから、もう「3ヶ月のスクール」という本来あったはずの商品を売る自信がなくなってくるのです。
価格が原因で集客できない
これはすごく多い問題なのですが、多くの人が「説明会のご案内」や「体験会のご案内」の告知ページで「3ヶ月スクールの料金」を提示してしまっています。
これ、ふつうに考えてちょっとおかしいと思いませんか?
世の中の仕組みをもう一度冷静に眺めて欲しいのですが、
■コンビニのオーナーになりませんか? 説明会受付中!
■自宅で英語の先生になりませんか? 説明会受付中!
というご案内チラシがあったとして、そこの中で実際にかかる費用とかを細かく書いてあることって無いですよね?(たぶん)
説明をするだけなのですから、この段階で細かい料金の説明をする必要はないんです。
もし「告知記事にも3ヶ月スクールの料金を載せなきゃ」と思っているとしたら、その説明会や体験会の中で「売り込みをしよう」と無意識的に考えてしまっている可能性があります。
説明会の目的は「説明」です。
まず一度、説明会の場に足を運んでもらって、そこで料金も含めて「説明」をしたら良いのです。そして興味を持ってくれた方に「個別相談」をすれば、ものごとはスムーズに展開されます。
ご案内の段階で「3ヶ月スクールの価格」を掲載してしまうと、中身も知らずに価格だけで判断をされてしまいます。
ただし専門学校などの場合、ホームページに料金が掲載されている場合もあります。
それは、ウェブサイトの中で必要な説明をすべてまかなえていることと、価格を理由に判断されないだけの実力とシステムが整っているからだと私は考えます。世の中的な信頼や認知、ブランドもありますね。
ここまでを総合して考えると、あなたに「ブランド」があるかどうかによっても「戦略」は変わってきそうです。
ご自身の置かれている状況なども加味した上で、いま一番ベストな選択をしてもらえると良いのではと思います。
スクール運営のポイント
ここまでは集客面でのお話が中心だったので、最後にスクール運営におけるポイントをいくつかお伝えしたいと思います。
基本的には自社スペースを使って行う場合や、レンタルスペースを借りてスクールを展開する場合があります。少人数制であれば、小さな会議室を時間貸しでレンタルするだけでスクール運営ができます。
ちなみにそこで役立つサイトとして、
などは便利なので活用してみてください。
その他に運営面で気を付けることとして「カリキュラム」と「ルール」の2点は重要なのでお伝えしますね。
カリキュラムを用意する
スクール運営を成功させるための秘訣の1つとして、優れた「カリキュラム」を持つことが大事になります。
基本的にスクールというのは「1:多数」で行われる講義形式が一般的ですので、受講生全員に再現性を持たせられるような、均一のものを届けられる「カリキュラム」が必要です。
受講生の状況に合わせて臨機応変に対応することにはなりますが、基本となる「カリキュラム」があってこその応用です。まずはこの部分をしっかりとマニュアル化しておきましょう。
ルールを整備する
マンツーマンでサービス提供をする場合には比較的頻度の少ない「ルール」に関するトラブル。
大人数を相手にすると、ちょっとした規律の乱れによって小さなトラブルが起きて、それが大きなトラブル、果ては信頼関係の崩れにも繋がってきますので、スクール形式で大勢を相手にする場合は要整備です。
「ルール」に関するマニュアル化も継続してスクールを運営していくうちに定まってきます。ある程度、経験者から想定されることについてアドバイスをもらったら、あとは勇気を持って進めましょう。
どれだけ石橋を叩いたとしても、踏んでしまう地雷は踏んでしまうものです。恐れずに進みましょう!
まとめ
「スクールビジネスの集客と運営を成功させるコツ」ということで、ここまでお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?
実は私が今回の記事で私が伝えたかったことは1つだけで、
■説明会と体験会をメイン活動にする
の1点だけなんです。
多くの個人起業家は、本命商品である「スクール」を売るためだけに日々の活動をすべきだと私は思っています。どう考えてもその方が売り手側の売上は立つし、買い手側のお客様の満足度も高まるからです。
それがなぜか、単発のセミナーとかセッションを売ることに終始してしまっています。もったいない!!
すべての活動を、
■説明会と体験会をメイン活動にする
ことだけに集中すべきなのです。
そうすれば自ずと、ブログで日々発信することやメルマガで書く内容も決まってくると思いますし、集客に関してもウェブを使うべきかどうかなども見えてくるはずなんです。
ビジネスはシンプルです。
ぜひ!
■説明会と体験会をメイン活動にする
ことだけに集中してみてください。
あなたのビジネスが大きく変わる一歩目となることでしょう。
あなたのご活躍を楽しみにしています!