あなたはこれまでにメイクレッスンに関する技術を養成講座などで学ばれた経験はあるでしょうか?
その知識や経験、技術を元にして独立起業をして成功したいと考えたことはありますか? 少なくとも会社員時代の月収は超えられるような、そんな働き方をしたいと思ったことはありますか?
これまで私も、メイクレッスンをメインサービスとして起業したいという女性たちのサポートをしていきたことがあります。
その中で興味深いのは、メイク以外にも、パーソナルカラーや骨格診断、同行ショッピング(アテンド)やファッションコンサルなども得意とする方が多かったことです。
ですが、多くの知識や技術を身につけるも、メイクレッスン講師として起業を志す人の多くは満足いく収入を得られていない現実があることを知りました。
コンサルティングをしていて気付いたのは、彼女たちが提供するサービス自体の質は高いのですが、ビジネスモデルや商品構成に問題があるということです。
そのビジネス上の欠陥がある限り、彼女たちの独立起業の可能性はどうしても低くなってしまいます。
ですが逆に考えれば、そのボトルネック(欠陥)を改善すれば、メイクレッスン講師としても十分成功できると考えています。
今日は実際のコンサルティング経験をベースに、メイクレッスン講師として起業を成功させるための方法をお伝えしていきます。
メイクレッスンのニーズは何か?
私は男性なのでメイクのニーズというのはよく分からなかったのですが、よくよく調査を進めてみると、確実にメイクレッスン講師として収益を得ることが可能なポイントがあることが分かってきました。
全部で3つの可能性を見つけたのですが、そのうちのどれかを押さえれば、あなたがメイクレッスン講師として起業を成功させる可能性は高くなると考えています。
さっそく見てきましょう。
恋愛婚活ニーズ
女性が自分を変えたいと思う強いニーズとして「恋愛」「結婚」があります。
厳密には、恋活中、婚活中の女性が「変わりたい願望」を強くもっている傾向にあります。
もしあなたが「恋活中」「婚活中」の女性に対し訴求していくのであれば、自分の過去の経験で使える恋愛要素を引っ張ってくると訴求効果はバツグンです。
「そもそもあなたである資格はないよね?」と思われてしまうとメッセージへの共感性が薄くなります。
共感をしてもらえないということはお客様のファン化も難しくなるので、自分の過去の経験要素として使える恋活エピソード、婚活エピソードがないかを探ってみましょう。
就職転職ニーズ
もう一つ女性が自分の「魅せ方」を強く意識するのが、就職活動や転職活動の時期です。
ただしここで大事なのが、就職を意識する際の女性の年齢です。基本的には高校卒業時と大学や短大の卒業時です。
そう考えると年齢的にメイクレッスンに対してお金を払う文化があるとは考えにくいため、お客様としては「転職」や「再就職」を考える女性がねらい目になるかと思います。
面接官に対し印象をコントロールしたいと考える女性に対してのアプローチになりますが、ここでも「恋活」「婚活」同様、自分の中に共感をもらえるような類似エピソードがないかを思い出してみてください。
ここでは「転職」と「再就職」という書き方をしましたが、仕事という括りで考えれば「起業」や「営業部署への異動」なども変化のタイミングです。
独立して人前で話す機会が増える方や、営業で人と話す機会が増える女性には強いニーズが潜んでいます。
自分を変えたいニーズ
自分を変えたいと強く願うシーンは「恋愛」や「就職」以外にもあります。
特にメイクなど外見を気にする場合の多くは「人間関係」による悩みです。本当は自信がないのに、周りからは気が強そうに見えてしまい誤解されることが多いなど、外見と内面のギャップを抱えている人は少なからずいます。
そういった外見から引き起こされる悩みが強ければ強いほど、メイクレッスンお申込みへの動機は強くなります。
何れにしても「今すぐ自分を変えなきゃいつ変えるの!」というぐらい強い動機が必要になります。ですがこれまで私が見てきた限りでは「恋愛」や「仕事」のシーンを超えるほど強い変身願望が現れる機会は少ないように感じています。
低単価+NOリピートの原因
メイクレッスン講師をされる方の多くは、次のような商品(サービス)の見せ方をする傾向にあります。
- 3回コース:15,000円
- 2回コース:10,000円
- 1回コース:5,000円
というような形です。
これだけを見ると「松竹梅の理論」が働き、真ん中の「2回コース」が一番売れそうな感じがあると思います。
ですが私の調査による傾向で考えると、どうやら「1回コース:5,000円」にお申込みが集中するケースもあるようです。
その原因と解決法を一緒に見ていきましょう。
眉の描き方で満足ケース
メイクレッスンをする際に、もっともニーズが高く変化率も大きいのが「眉」に対するアプローチです。
眉毛の描き方を教わりたいというピンポイントの要望を受けてしまう場合、たいてい1回のメイクレッスンで事足りてしまうという現状があり、しかもリピートにつながりにくいという悪循環が生まれます。
使い方を知りたいケース
これまでメイクは自己流で雑誌を見ながらやってきただけなので、プロの人がどのようにメイクをするのかを単純に知りたいとか、コスメグッズをどう使えばいいのかにだけ関心がある場合です。
この場合も「あ、なるほど。こう使えばいいのか!」で納得してしまうため、1回のレッスンで満足しリピートもしないという現実が待っています。
季節のコスメを知りたいケース
季節に合わせた流行のコスメグッズやメイク方法を知りたいだけのケースもあります。
この時も基本的にリピートは起こらず、最新のメイク法や流行、新商品の情報が手に入ればOKという形になり、まるでコスメカウンターのようにメイクレッスンを使われてしまう場合があります。
商品(サービス)を絞り込む
ここまでの内容を考えると、例えば「松竹梅の理論」で商品(サービス)を並べたとしても、1回のレッスンだけで満足してしまい、低単価商品の販売にとどまり、リピーターにもなってもらえない状況に陥ります。
これを解決するためには、1つのコンセプトを厳選し、商品も1つに絞り込むことが突破のカギになります。
メイクセラピストの事例
過去に「メイクセラピスト」という資格を持つ方が相談に訪れたことがありました。
認定の資格保有者で、通常のメイクレッスンに加え、セラピーの要素を踏まえた上で「自分がなりたい自分像を引き出し、それをメイクで実現する」というサービスを提供している方がいました。
ですが話を伺うと「メイクセラピー」はあまり売れず、低単価の「メイクレッスン」にご注文が集中してしまうとのこと。
この場合の原因は、お客様側で「メイクセラピー」と「メイクレッスン」の違いをきちんと認識できていないことが問題なのと「なりたい自分になる」という意味がうまく伝わっていないことにありました。
多くの女性は「自分がなりたい自分」を目指すというよりも、流行りや新商品によって、いかに最新のメイクを自分に施せるかに興味がある様子でした。
また、そこそこのメイクだけできれば問題ないと考える女性もけっこう多く、そもそもメイクを学ぶことにお金を払う文化もないような印象がありました。
この際の突破口は、メイクレッスンを廃止し「メイクセラピー」のみを売るということ。
そしてホームページやブログ、チラシ、SNSでも「メイクセラピー」の重要性を訴求することでお客様を価値教育していく必要性があります。
また、メイクレッスンとメイクセラピーの比較をするだけの情報をお客様は持っていないため、価格でサービス内容を選ぶ傾向が出てしまうため、あえて比較されないように商品を「メイクセラピー」に絞り込むことが重要になります。
そしてさらにいうと「カウンセリング」をベースにして、あくまでメイクはそのカウンセリングをより良くするための補助的な役割に位置付けることで、メイクレッスンでは低単価になりがちな商品を高単価することもできます。
メイクにお金を払う文化はなくても、カウンセリングにお金を払う文化はあるからです。
メイクレッスンにプラスした事例
通常のメイクレッスンだけでは単価を上げにくいという課題がある場合には、その他の商品(サービス)を組み合わせて単価を上げる方法があります。
どうしても「メイクレッスン単体」での売上を作ることは小規模ビジネスの場合ですと難しい場面が多々あります。
できるだけ時給単価が1万円を下らないことが大切です。2時間のレッスンに2名が集まるセミプライベートであれば、最低でも2万円をそのレッスンからいただく必要がある、ということです。
特にメイクレッスンと相性が良いのは「ヘアアレンジ」や「同行ショッピング」「ファッションコンサル」等です。
フォログラファーの方とコラボをして、最終的な「変身後の魅力」を写真に収めるサービスや、WEB上に残すサービスも面白いかもしれません。
何れにしても付加価値を付けて単価を上げることがポイントになります。
スクールにしてしまう
メイクレッスンの座学や実技、ファッションに関する座学や実技、コーチングの要素なども入れてマインド面での強化などをパッケージ化することで「スクール形式」の商品にすることも可能です。
この形ですと3回コースとか5回コース以上の「3ヶ月コース」「半年コース」という見せ方もできるので高単価がしやすいメリットがあります。
この手法に関しては別の記事でノウハウをまとめていますので参考にしてみてください。
まとめ
メイクレッスン講師として成功を収めるためには、まずはどのニーズに訴求するのかを明確化することが大切です。
特に収益性の高い分野としては「仕事」と「恋愛」が挙げられます。
それらを含めた上で、より単価の高いサービスに一本化し、低単価商品の提供を最初から行わないことが大切です。
とはいえ、いきなり講座やスクールにお申込みをするのはお客様側として抵抗があると思うので、例えば「体験レッスン」というものを用意して、そこでお客様に今後必要なことを伝えて「メイクレッスン3回コース」のみを売るという方法はスタンダードでシンプルです。
また、季節の変わり目にはコスメグッズやファッションアイテムが変わる時期ですので、お客様の財布の紐もゆるくなる時期です。
このタイミングに合わせて、グループレッスンなど、一人当たりの単価が安くても人数を集めれば時給単価が下がらない方法で、安く広く伝えていく認知活動(プロモーション活動)も視野に入れると良いでしょう。
魅力的になりたくない女性なんていない、という前提に立てば、あと必要なのは、メイクを自らの手で学ぶことの重要性や尊さのようなものを伝えきるだけの発信力を求めることもポイントになるかなと思います。
メイクレッスンの講師も競争が激しく、しかも目立った成功者も少なくロールモデルも少ない現状があると思います。
だからこそメディアの活用を上手に行い発信力を磨くことは今後の活動にも有利に働くと思います。
メディア発信やブランディングに向けての記事も書いています。
WEB発信力を身につけて、自分の伝えたいブランディングメッセージを伝えられるように取り組んでいきましょう。
■WEB発信力を身につける! │ 自分に合うメディア・合わないメディア
今日の記事はいかがだったでしょうか。
メイクレッスン講師は、一般的には起業成功率が低い分野に位置づけらえれているように私は感じますが、ビジネスの基本構造や基本戦略が分かれば十分に収益性を保てると考えています。