多くのコンサルタントはこう言います。
「Facebookは集客ツールではなく、コミュニケーションのための道具です」と。
そしてこう続けます。「Facebookの集客だけでうまくいく人もたまにいるけど、あれは本当に稀なケースで、実際はうまくいかないものだよ」と。
それに反して私は、Facebookからの集客で年商1000万円規模のビジネスを興すことができました。
だからこそ伝えられるのですが、多くのコンサルタントは、Facebookの、SNSの集客法のことを知っているようで知りません。
今日はその、コンサルタントも知らないFacebook集客のカラクリをお伝えしたいと思います。
フェイスブック集客の基礎をまず知りたい方はこちらを先にお読みください。
Facebook集客の本質は2つ
多くのコンサルタントはこう言います。
「SNSは拡散のツールなので、あなたのブログやメルマガ、LINE@を広めるために使いましょう」と。
この【拡散】というキーワードは確かにSNSの主要な役割のひとつであるのは確かです。
ですが、本当の意味でFacebook集客を成功させたければ【拡散】の根っこにある2つの本質を理解することが非常に重要です。
関係性を深めるツール
ビジネスというには基本的に【信頼】を構築することが目的であり、その信頼を作るためのツールとして【コミュニケーション】が存在していると思っています。
一度信頼関係が作られてしまえば、お客様の顕在的なニーズも、潜在的なニーズも、両方とも押さえることができますし、何よりも人は一度購入したことのある人からの方が安心して商品を買えます。
そういう意味で、SNS、特にFacebookは信用信頼を深めるためのコミュニケーションツールとして、絶大な効果を発揮します。
従来の顧客フォローというのは、通販ビジネスに見るような手紙や電話、メールなどによるものが普通でした。
それがSNSの登場により、特に個人ビジネスの場合は、気軽に相手の投稿にイイね!やコメントをすることで関係性を維持向上することができるようになりました。
私もセミナーなどを開催する際には、事前お申込みの段階でFacebookに友だち申請をしていただき、セミナーの当日までに仲良くなることを意識的に行っています。
顧客のファン化は早期に行えば行うほどリピートの可能性も高まります。
そのあたりを詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね↓
お客様をリピートさせる方法 │ エスカレーター式・顧客魅了システムの導入
依存性を高めるツール
意外に語られていないのが、こちらの【依存性】にかかわる部分です。
確かにFacebookを始めとするSNSの数々は【関係性】を構築するためにもってこいのツールです。
そこに【拡散性】も加わるわけですから集客に便利なのは確かにそうですが、正しくSNS集客を行うためには、SNS特融の【依存】の仕組みを正しく理解する必要があります。
ユーザーが依存する仕組みを理解する
私たちがFacebookを使って集客する際に意識すべきは、SNS特融の【拡散性】と【関係性】の強化です。
ですが、この2つを意図的にコントロールするためには、SNS、特にFacebookがどのような構造や仕組みでユーザーを【依存】させているかを理解する必要があります。
そこで引用したいのが『フック・モデル』と呼ばれる理論です。
日本では2014年に『ハマるしかけ』(著:ニール・イヤール 翔泳社発行)の中で提唱された考え方です。
この『フック・モデル』には、4つのステップがあると言われています。
①トリガー(きっかけ)
トリガー(きっかけ)には、外的なものと内的なものが2つあるとされています。
Facebookを事例にすると、外的なトリガーとしてはアプリの通知サービスがあります。
人によって設定は変えていると思いますが、例えばあなたのFacebook投稿に友達が何かしらの反応をした時にプッシュ通知でお知らせがあったり、もしくは朝目覚めるとその日に誕生日を迎える友達リストがメールで届いたりします。
こういった要素をきっかけに私たちはついついFacebookを何げなく開いてしまうというわけです。
そしてもう一つ、内的トリガーというものがあります。
内的トリガーについて、著者のニール・イヤールはこう言っています。
とりわけてネガティブな感情は力強い内的トリガーとなり、私達の日々の日課に大きな影響を与える。
退屈、孤独、失望、混乱や優柔不断などの感情は、時に軽い苦悩やもどかしさを駆り立てる。
Facebookでいえば、なんとなく手持無沙汰な時についついFacebookのアプリを開いてしまったり、孤独を感じる時には社会とのつながりを求めてアプリを開いてしまう、などの現象があります。
②アクション(行動)
人が行動する際にはトリガー(きっかけ)の他に、モチベーションと能力が必要だと、行動モデルを提唱するフォッグ博士という方によって明らかにされています。
簡単にいうと、行動するためには、悩みや痛みを回避するための欲求や願望というモチベーションが必要で、さらに行動をしやすくさせるためにアクションを簡素化したりするなどの利便性を図る必要がある、ということです。
能力という表現が分かりずらいですが、私なりにまとめると、行動を起こすためには数々のハードル(例えばお申込みフォームの入力項目など)がありますが、そのハードルが低ければ低いほど、行動するための能力を少なくて済む、ということです。
Facebookは、手軽な操作で共感を示す「イイね!」の機能を実装しているほか、友達申請やフォロー、シェアなども気軽にアクションができるような設計がなされています。
そのためユーザーは簡単に行動がしやすくなり、その結果、習慣(依存性)が作られていくという仕組みになっています。
③リワード(報酬)
ここからが重要ですが、Facebookを始めとするSNSやゲームなどには「リワード(報酬)」が至るところに散りばめられているため、ユーザーは依存しやすくなる傾向があるとされています。
『フック・モデル』では、次の3つの報酬について書かれています。
- トライブ(集団)
- ハント(狩猟)
- セルフ(自己)
これも私なりに解説すると、まずはFacebookを使うことによって社会的なつながりを生み、時には役立つ投稿やコメントを行うことによって社会的な報酬が得られるというのが一つ。
そして、Facebookのタイムラインを指でスライドさせていくと、自分に興味のない投稿もあれば、とても興味深く誰かに伝えたくなるような投稿もフィードに流れてきます。
この「お宝」のような投稿を求めることを「ハント(狩猟)の報酬」と言います。
また、自分の投稿に付く「イイね!」や「コメント」もまた、他者から受け取る予測不能な報酬の一つです。
そして最後に「セルフ(自己)」の報酬ですが、端的にいうと、自己満足の欲求です。
RPGゲームなどのレベル上げなどがそれに該当しますが、何かを完成させようとする努力に対しての自己満足を指します。ジグソーパズルなども、ある意味で「セルフ(自己)」の報酬を得るために行っているようなものです。
Facebookを使い続ければ使い続けるほど、その機能を扱えるようになった自分に自己満足し、Facebookに対しての価値がより高まるようになることなどが挙げられます。
④インベストメント(投資)
ここでいう【インベストメント(投資)】というのは、長期的に見て自分に利益があるような行為を言います。
Facebookで例えると、例えば友達申請やフィードへの投稿が該当します。
友達申請をして承認されると、すぐに何か大きな報酬があるわけではないですが、長期的に考えると、あなたのフィードにその友達の投稿が流れきますので、そこから有力な情報が手に入るかもしれません。
何かのノウハウかもしれませんし、美味しいレストランの情報かもしれません。
自分で投稿すると、そこに「イイね!」や「コメント」が付く可能性があります。
それによって自分が社会的なつながりがあることを実感すると共に、その「イイね!」の数などが自分の価値を評価する基準のようになり、充実感を覚えたりします。これもまた報酬です。
そしてさらに重大なことは、この【投資】を行うことで【報酬】が手に入ることでより依存性が生まれるばかりでなく、自分の投稿に何か反応がないだろうかと「そわそわ」することは【内的トリガー(きっかけ)】となり、無意識のうちにFacebookアプリを開くことになります。
このようにして、Facebookを始めとするSNS依存は始まっていくのです。
依存の仕組みを逆手にとったSNS集客
ここまで『フック・モデル』を中心にFacebookなどのSNSが依存性を誘発する仕組みをお伝えしてきました。
ここからいよいよ【Facebook集客】の話になります。
知識の浅いコンサルタントの方であれば「Facebookはブログの拡散に使いなさい」と教えると思いますし、もうちょっと踏み込んだ方であれば、お客様との信頼関係を構築するコミュニケーションとして使いなさいと教えるでしょう。
しかし、本当にFacebookで集客したければ、この【依存】の仕組みである『フック・モデル』無しには語れません。
特に【報酬】に注目してここからは見ていきましょう。
憧れという報酬
『フック・モデル』によると「トライブ(集団)」と「ハント(狩猟)」そして「セルフ(自己)」の報酬があるとされていました。
その中の「ハント(狩猟)」に注目すると、Facebookのユーザーは、社会的なつながりを求めてFacebookを使うことになります。
ビジネス仕様で集客を目的にする場合、私たちはまず「トライブ(集団)」の報酬を与える必要があります。
その一つに【憧れ】があると私は考えています。
あなたはFacebookの中で権威を感じる方の投稿に対し、積極的に「イイね!」や「コメント」をした経験はありませんか?
権威や憧れの対象に自分がなることで、他のユーザーからは社会的なつながりを求められ、より「イイね!」や「コメント」が付きやすくなります。
ということは、Facebookでの集客を成功させるためのひとつの秘訣は、自らの権威性を高め、憧れを誘発することにあります。
そのためにどのようなプロモーションを行えば良いかを考えると、自ずとやるべきことが見えてくるかもしれません。
もっともシンプルな方法は実績のアピールであったり、著名人と一緒に写真を撮って投稿をすることです。
顕示欲への報酬
Facebookのユーザーが無意識的に刺激されている内的トリガーに、社会的なつながりを満たしたいという欲求があります。
ここで「シェア」の概念について考えてみたいと思います。ツイッターで言うところの「リツイート」ですね。
多くの人は、自分が心の中では思っていても言葉にできないモヤモヤしたものを1つや2つ持っているものです。
そのうまく言葉にできないモヤモヤを、見事に言葉にした投稿を見かけた時「そうそう!私が言いたいのはコレ!」という具合に、投稿を「シェア」したり「イイね!」をしたりします。
もしくは「ハント(狩猟)」の報酬の原理で、自分に役立つ投稿を見かけた時にメモ変わりに「シェア」という行動をする人もいらっしゃいますし、フィードを購読しようと「フォロー」してくれる人もいます。
けっこう前のめりな方の場合は「友達申請」と「メッセージ」も送ったりすることもあるでしょう。
報酬と集客の関係
ここまでをまとめると、あなたはFacebookのタイムラインに、お客様にとって役立つコンテンツを投稿することで、読み手に報酬を与える存在になることができます。
有益な投稿の積み重ねや実績のアピールなどから権威性が高まれば、さらに【憧れ】が誘発され「イイね!」や「コメント」が増え、拡散性や関係性も強化されていきます。
ここまでで分かるようにFacebookというのは、信用信頼という関係性を深めるためのコミュニケーションツールでありながら、ビジネスユースをする人にとっては「報酬を与える人」になる必要がある、というわけです。
これが、自分の単なる日常や食べたものの投稿ばかりでは集客効果がないと考えられる理由になります。
心理的リアクタンス
人は、自主性を奪おうとするものに対し敏感に反応し、抵抗すると言われています。
これを専門用語で「心理的リアクタンス」と言います。
Facebookを始めとするSNSツールは、この自主性を奪わないように設計されていることでユーザーが拡大しているという背景があります。
もしもFacebookが意図的に「あなたにはこのFacebookゲームがお勧めです」とか「非公開グループではなく秘密のグループはいかがですか?」みたいに積極的に働きかけてきたら、ちょっと気持ちが冷めませんか?笑
そういったことを我々も考えていくと、告知記事や案内の投稿ばかりが嫌がられる理由にも納得がいきます。
ユーザーは、自分が楽しみたいようにただSNSを使っているだけです。
そしてその無意識下では、様々な報酬を求めています。それは自分に役立つより良い情報であったり、憧れの人との関係性を構築するチャンスなどがそれにあたります。
このようにして長く関係性を築くことに成功すると、あなたへの興味が高まり、そこで初めてブログへの誘導に成功したり、メルマガやLINE@の登録が促されるわけです。
つまり「与えよ、さらば与えられん」の考え方であり、GIVEの法則が適用されるわけです。
GIVE(与える)の法則を初めて聞くという方は、こちらの記事を参照してください↓
無料オファーの作り方と活かし方 │ 正しいGIVE&GIVE の法則
フック・モデルとFacebookの仕様
SNSがどのようにして依存を生むような仕掛けをしているのかを知れば、自然と集客の仕組みに何を適用させれば良いのかも見えてくると思います。
そして特に、Facebookを集客い活用するのであれば、その仕様も正しく理解する必要があります。
基礎項目としては【エッジランク】の考え方は、まず基本として知っておくべきです。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。最新版に加筆・修正しております↓
一方で、Facebookも頻繁に仕様変更をしており、最近は【拡散性】よりも【関係性構築】に力を入れた仕様になっています。
イイね!の数が減ったと感じている人は、その感覚は正しいです。Facebookがルールを変えたのです。
そのあたりの最新事情はこちらの記事を参考にしてください。同じく、最新情報に加筆・修正がしてあります↓
まとめ
Facebook集客を浅い部分から3層構造で考えるとすると、
- 拡散性
- 関係性
- 依存性
の順番でSNSを理解することができます。
徐々に【拡散性】の効果が薄れてきている今、より【関係性】に着目してFacebookを活用する必要があります。
ですが、ただ仲良しごっこで【関係性】を構築していてはいけませんし、ただ単純にプライベートなことだけを投稿していても、見込み客の方々に【報酬】を与えることができません。
これまで【依存性】というネガティブな表現を使ってきましたが、見方を変えれば【習慣】ということができます。
正しき習慣をユーザーに与えるために、あなたはより効果的な【報酬】を用意し提供し続けることで、Facebookユーザーに価値のあるコンテンツを届け、有意義なSNS利用の時間を提供できるというわけです。
それが結果的に【関係性】、つまり信用や信頼の構築につながります。
現在のFacebookは、よりあなたと親密度が高い人の投稿を優先的に上げる仕組み(アルゴリズム)になっています。
これは現在のSNS事情全般に言える動きでもあります。
そのため、あなただけの世界観や価値観を表現し、あなただけの発想や構想を提供し、価値あるノウハウやコンテンツを届けることで、あなたのファンが周囲に集まり、似たような価値観を持つ人たちに拡散が広がります。
Facebookの投稿は、外部から検索で見つからないため、数多くの投稿は意味がないと断言するコンサルタントもいます。
ですが、似た価値観の人たちが集まりファンになりやすいSNSの世界では、それらの投稿はまるで「メルマガ」と同じような効果を発揮し、お客様を魅了し、ファン化させます。
SNSという小さな世界の中でダイナミックに動く、コンテンツマーケティングそのものなのです。
もしあなたが『コンテンツマーケティング』『インバウンド戦略』という言葉に馴染みがないとしたら、それは危険です。
個人起業家が取るべき、もっとも効果的なWEB戦略だからです。
これから勉強したい方にはこちらの記事をお勧めします↓
個人起業家にとってのメイン集客法 │ インバウンドマーケティング・コンテンツマーケティング
正しくFacebookを、SNSを理解することで、あなたの集客力は格段に、見違えるほどにレベルアップするはずです。
ぜひ今日の内容をよく振り返り、あなたのビジネスに適用させてくださいね。